なぜ小型銘柄が狙われているのか?

6月の相場は荒れそうだ、とシティ・インベストメント・リサーチの、ローリー・カルバシナ氏は言う。理由は、ラッセル指数を構成する銘柄が入れ替えになり、当然の結果として、ミューチュアルファンドによる持ち株の調整が予想されるためだ。


カルバシナ氏の話をまとめるとこうなる。

「120のミューチュアルファンド(金額に直せば約5350億ドル)は、トレーダーにポピュラーなラッセル2000指数を含めて、26のラッセル指数に連動する仕組みになっている。指数構成銘柄の変更で、ミューチュアルファンドがポートフォリオを調節しなければならないが、この事実を利用して、ヘッジファンドが何か仕掛けてくることだろう。」

CNNの報道によれば、現在ウォール街では、どの銘柄が組み替えの対象になるかが予想され、ヘッジファンドは既にそれらの銘柄に投資を開始している。ラッセル2000指数は小型株の動きを示す指数であり、IWM(iShares Russell 2000 Index)は、連動銘柄として投資家やトレーダーに人気がある。

ここで、IWMの日足チャートと、大型株の代表である、ダウ指数に連動するDIAの日足チャートを比べてみよう。

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一目瞭然、小型株に連動するIWMの方が成績が良い。ヘッジファンドは、6月の銘柄入れ替えを見込んで、確かに資金を小型株に移していたようだ。

メリサ・ロバーツ氏(Keefe, Bruyette & Woods社)は312銘柄、そしてシティのキース・ミラー氏は307銘柄が新たに小型株指数に組み入れられることを予想している。

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ローリー・カルバシナ氏(シティ・インベストメント・リサーチ)

(参考にしたサイト: http://money.cnn.com/2008/05/31/markets/bc.na.fin.mkt.us.wallst.ap/index.htm?section=money_latest

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