Saturday July 28, 2007

US Market Recap

イージー・マネーの終焉

300ポイントを超える木曜の下げ。翌日金曜は更に200ポイントの下落だから、投資者たちは完全に動揺してしまった。証券会社の知人は、「株を全て売った方が良いでしょうか」、とアドバイスを求める電話が、後を絶たなかったと言う。テレビは、まるで世の終わりが来たような報道ぶりだから、心配にならない方がおかしい。

さて、不安定なマーケットを、どう乗り切ったらよいだろうか?金融コラムニスト、ティム・ミドルトン氏の話を聞いてみよう。

下げ相場では、投資姿勢の調整が必要だ。と言っても、別に難しいことではない。次のことを実行してほしい。

1、投資ポートフォリオのリスクを下げること。

米株なら、不動産関連銘柄は処分すること。そして、景気に左右されやすい、超小型株も売ってしまうことが好ましい。海外市場に関しては、新興成長市場は避けるべきだ。

2、株を処分して得た資金は、次の買いチャンスに備えて、マネーマーケットファンドや、短期国債に回しておこう。

3、過去のデータを基にして、下げ相場で比較的打たれ強い優良株に注目しよう。

4、下げ相場だからといって、ベアファンドに資金を安易に移さないこと。一般的に、ベアファンドは下げ相場で上昇すると信じられているが、それは間違った見方だ。現に、2000年から2002年の下げ相場では、ベアファンドは平均で7.1%下げている。

今週のマーケットを振り返って、空売りを専門にするビル・フレッケンスタイン氏(フレッケンスタイン・キャピタル)は、こう語っている。

「ある程度大きな下げでも、株式市場は翌日簡単に回復したものだ。しかし、水曜に展開されたラリーは、ひ弱だった。そして木曜、債券、金融市場の混乱が原因になって、ダウは300ポイントを超える下落になった。こんな下げ方は、まだ序の口だ。」

金融市場の混乱、という言葉をフレッケンスタイン氏は使っているが、少し説明しよう。ダイムラー社が、低迷する米クライスラーをファンド会社に売却する、というニュースが以前あった。しかし水曜の報道によれば、ファンド会社は買収に必要な資金を、調達できない可能性があるという。

ここまで、米国株式市場が好調だった原因の一つは、頻繁な大型買収だ。しかし、クライスラーのニュースが明白にしたことは、クレジット・クランチと呼ばれる信用収縮が起き始めている。ようするに、資金需要はあっても、金融機関は貸し渋っているわけだ。言い換えれば、イージー・マネーの時代は終わった。

(参考にしたサイト: http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/MutualFunds/HowToSurviveACorrection.aspx

http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/ContrarianChronicles/300pointdropjustthestart.aspx

http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/Dispatch/ChryslerTroubleAreBigDalsDone.aspx

Stocks You Need To Know About

ダウ指数

日足

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サポートレベルに接触しているが、ここを割ったら、どの辺まで下げるだろうか?

週足

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ひとまず、38.2%の値戻しレベルに注目だ。

Wall Street English

また下げた株

不調な株ばかりが話題になるが、こんな小さなヘッドラインを見つけた。

Crude ends a penny below record closing level

クルード・オイルは、史上最高値まで、あと1セントに迫って終了した。

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