ニュースはフィクション !?

ほぼ予想どおりだった、というのは良いニュースだろうか、それとも悪いニュースだろうか?先ず、実例を挙げよう。月曜のマーケット開始30分後、5月分の中古住宅販売件数が発表された。アナリストの予想は、年間通算で600万件、結果は599万件だった。さて、これは住宅関連銘柄の買い材料だろうか?

それだけでは判断できない、と言われる方々もいることだろうから、CNNからの報道を付け足そう。ヘッドラインは、「弱い住宅市場、販売件数は、ここ4年間で最低」。ブルームバーグの見出しも、CNNと同様に、「4年間で最低」が強調されている。となれば、住宅銘柄は売りだろうか?もう少し、ニュースを読んでみよう。

1991年以来、最悪の不況に直面している住宅市場は、回復の兆しを見せている米国経済の足を引っ張る可能性がある。「住宅市場は、相変わらず、ゆっくりと出血が続いています。市場に出たまま、売れずに残っている在庫住宅数が膨大な量ですから、これが完全に解消するには、かなりの時間がかかることでしょう」、とリーマン・ブラザーズのエコノミスト、イーサン・ハリス氏は言う。

PNCファイナンシャルのスチュアート・ホフマン氏は、こう述べている。「現状では、住宅市場の底打ちを宣言することはできません。サブプライム融資問題もありますから、底打ち、ということを考えることすら早すぎます。住宅ローンの金利が上昇する今日、売れ残っている住宅数は、あまりにも大き過ぎます。」

楽観的な見方で定評がある、全米不動産業協会からは、こんな見解が発表された。「強い雇用状況、回復の始まった経済、比較的まだ低い住宅ローンの金利、それに上昇の止まった住宅価格などを考え合わせると、今日の住宅市場は低迷している、と言うことができる。おそらく買い手は、住宅市場に、安定の兆しが見え始めることを待っているのだろう。」

こういう意見も出ている。「買い手は、現在の住宅市場を、もっと注意深く検討するべきだ。住宅の値段が、上がり始めるのを待っているのは、正しい姿勢ではない。そんな状況では、有利な条件で、売り手と交渉できなくなるからだ。」パット・コームズ氏(ミシガンの不動産業者)

もう一つ、ワイス・リサーチのアナリスト、マイク・ラーセン氏の意見も載せておこう。「2008年の中頃まで、住宅市場に、買い手は戻ってこないことでしょう。まだまだ住宅市場は悪化します。住宅ローンの金利が上がっているだけでなく、審査が厳しくなっていますから、以前のように、簡単に金を借りることができません。」

もう一度質問しよう。住宅銘柄は買いだろうか?

(参考にしたサイト: http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=aTwky.4ib_u0&refer=home

http://money.cnn.com/2007/06/25/news/economy/existing_home_sales/index.htm?postversion=2007062511

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