Wednesday March 28, 2007

US Market Recap

ベアになった人気テクニシャン

生粋のテクニシャン、と定評のあるティム・ナイト氏は、米国株式市場に対して弱気な見方をしている。なぜだろうか?さっそく、氏の説明を聞いてみよう。

「ベアになることは決して楽ではありません。マーケットは下がる、などと声高に主張することは、大多数の投資者を敵に回すことになります。考えてみてください。投資銀行、証券会社、人気株番組は、株が上がることをいつも望んでいます。大袈裟に言えば、証券業界は上げ相場が土台になっているのです。

ベアには大きな欠点があります。株投資で、莫大な富を築き上げたウォーレン・バフェット氏は、ベア(売り方)ではなく買い方(ブル)です。毎年、フォーブス誌が発表する長者番付を見ても、売り専門でこのリストに入った人は、いままで一度もありません。ようするに、ベア姿勢では資産家にはなれないのです。

ベアの不利なことばかり述べましたが、なぜ私はベアになったのかを説明します。

株が上がる時と、下がる時を比べてください。どちらの動きが速いでしょうか?下げスピードは、上げスピードを圧倒的に上回ります。2月27日の大幅な下げを思い出してください。たった数時間で、マーケットは500ポイントの下落です。私は気長な投資家ではありませんから、いつも速い方を選びます。

私は悲観論者ではありませんが、心配性です。ですから、株価が順調に上がれば上がるほど心配になるのです。こんなにうまく行くわけがない。ここまでは単にラッキーだったのだ。そろそろ売った方が良いかもしれない、といった調子ですから、私にはベアの素質があるのかもしれません。

目立ちたがり屋だ、と言われるかもしれませんが、私は皆が買っていると買う気が無くなってしまいます。どうしても、多数の意見に反対したくなってしうまうのです。もちろん、90年代のブルマーケットで、人と反対のことをしていたら大変です。

私はテクニシャンです。簡単に言えば、チャートを使ってマーケットの状態を判断します。長期チャートは、声高にマーケットの天井を警告しています。私は、この警報を有効に使うつもりです。

私は、アメリカがスタグフレーションで苦しんだ、70年代に育ちました。ガソリン不足で、あちこちのガソリンスタンドに、長い列が出来ていたことを思い出します。あの頃と比べると、今日のアメリカは富に溢れています。経済の肥満ですから、こんな状態は長続きするとは思えません。

白状しますが、私は90年代のマーケットで、思ったような利益を上げることができませんでした。ですから、今回はベアになって90年代の穴埋めをしたいと思っています。」

チャートでクイズ

あなたのチャートIQに挑戦

S&P500指数の週足です。売り手(ベア)は、どんなチャートパターンができることを望んでいるでしょうか?

0327spx.gif

解答

急落前の高値突破に失敗して、二番天井(ダブルトップ)が形成されることです。

0327spx2.gif

Wall Street English

金利引下げは無い

アーウィン・ケルナー氏(エコノミスト)は、こんなことを述べている。

Reports that the Federal Reserve is ready to cut interest rates are greatly exaggerated.

連銀は金利引下げの準備が整っている、という報道は、あまりにも大袈裟だ。

ここ3カ月間の貨幣供給量は8%も増えていることを考慮すれば、現状で金利を下げることなどありえない、とケルナー氏は言う。

本マガジンは客観的情報の提供を目的としており、投資等の勧誘または推奨を目的としたものではありません。各種情報の内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。これらの情報によって生じたいかなる損害についても、当社は一切責任を負いかねます。

発行:株式会社ブレイクスキャン 監修:株式会社デイトレードネット