Thursday March 8, 2007

US Market Recap

急落と内部関係者

先週の急落で、世界の株式市場は3兆1000億ドル(362兆円)におよぶ損害が出たという。日本の国家予算(一般会計予算)が約82兆円だから、正に膨大な金額だ。「今回の大幅下落で、多くの人たちが持ち株を手放しましたが、とうぜん買っている人たちもいます。問題は誰が買っていたかです」、と言うのはファイナンシャル・コラムニストのマイケル・ブラッシュ氏だ。氏の話を要約してみよう。

株価が大きく下がれば、結果として企業の時価総額も下がる。今回の急落で、シティグループ(C)は12月からの利益が全て吹き飛んだ。しかし、マーケットが416ポイント急降下しているその日、インベストメント・バンキング部門の責任者、トーマス・マヘラス氏は7万5000株におよぶ自社株を51ドル7セントで買った。380万ドルに相当する買い物だから、言うまでもなく真剣な金額だ。

シティグループの株主には、シティグループ株の成長率に不満を持つ人たちが多い。中でもサウジアラビアの、アルワリード・ビン・タラル王子は、思い切った経営方針の切り替えを最高経営責任者に要求し、シティグループの株価に対する失望を、まったく隠そうとしない。さすがにシティグループも動き始め、新最高財務責任者として、アメリカン・エクスプレスのギャリー・クリッテンドン氏を抜擢した。

モーニングスター社のクレッグ・ウォーカー氏によれば、今年中にシティグループの業績好転が見られなければ、最高経営責任者のチャールズ・プリンス氏も辞職に追い込まれることになるという。「それだけではありません。大株主の中には、シティグループの分割を提唱する人もいます」、とウォーカー氏は付け加える。

シティグループの持つ強みの一つは、収益の半分近くが、アメリカ国外の営業によるものだ。これが意味することは、成長率の極めて高い国々、新興市場から直接好影響を受けることができる。もう一つシティグループの持つ魅力は、4.1%の高配当利回りだ。アナリストの、ケリー・ライト氏はこう述べている。「シティグループが、株主を満足させることができる日は間違いなくやって来ます。投資者の立場から見れば、現在の株価は買いレベルです。」

 Consolidated-Tomoka Land (CTO)も注目したい銘柄の一つだ。デービッド・ウィンターズ氏(ウィンターグリーン・アドバイザーズ)は、先週Consolidated-Tomoka Landを約130万ドル分買い足している。 ウィンターグリーン・アドバイザーズは投資会社だから、正確には内部関係者ではない。しかし、10%以上の株を保有する大株主だ。

ウィンターズ氏の話によれば、Consolidated-Tomoka Land はフロリダ州のデイトナビーチの土地、約120万エーカーを所有している。この土地だけでも、Consolidated-Tomoka Land の時価総額を簡単に上回るという。更に、大株主として、ウインターズ氏はConsolidated-Tomoka Land の経営に積極的にアドバイスしていくことも計画している。

Stocks You Need To Know About

Consolidated-Tomoka Land とシティグループ

ブラッシュ氏があげた二銘柄を見てみよう。先ず、シティグループ(C)の週足から。

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サポートラインにぶつかり、反発が始まったところだ。次はConsolidated-Tomoka Land (CTO)の週足。

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2月の高値に接近中だ。皆さんは、どちらの株を選ぶだろうか?下のCTOの方なら、あなたはブレイクアウトトレーダー、そして上のCならプルバックトレーダーだ。

Wall Street English

ウォーレン・バフェット氏の言葉

Specifically, they buy investments that have done well and sell those that have done badly. Although this strategy feels comfortable, it is idiotic.

投資者たちは、過去の成績を見て良いものを買い、悪いものを売る。一見もっともらしい方法だが、まったく馬鹿げている。

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