Thursday February 22, 2007

US Market Recap

過去の実績と将来

2006年、ミューチュアルファンドAは+15%の成績、そしてBは3%増の結果だった。さて、あなたなら今年どちらへ投資するだろうか?歴史は繰り返す、という言葉を信じるならAを選んでも構わない。しかし、「The Wall Street Self-defense Manual」の著者、ヘンリー・ブロジェット氏は、歴史は大してあてにならないと言う。少し氏の話を聞いてみよう。

最近、T. Rowe Price社が積極的にミューチュアルファンドを売り込んでいる。「最近1年間、5年間、そして10年間を振り返ると、当社が扱うファンドの7割が、業界平均以上の成果を上げている」、といった内容の広告を使って、いかに過去の成績が優れているかを強調している。

もちろん、広告の下には「過去の実績は将来の利益を約束するものではない」、と小さな断り書きがある。私が思うことは、過去の実績ほど将来の予想に役立たないものはない。今までこんなに素晴らしい成績だった、と過去ばかりを重要視するファンド会社は、単に投資者の心理的弱点を利用しているだけだ。

優れた成績は、必ずしもファンドマネージャーの腕が良かったためではない。なぜなら、単にラッキーだっただけ、ということも十分にありえる。何のルールにも従わず、無作為に株を選んだ場合でも、約50%の確率で好成績を上げることができる。(猿に株を選択させる実験が有名)長年にわたるデータを基に判断するなら話は別だが、短期間の情報では3割3分の打者と、3割1厘の打者の違いを見つけるのは難しい。

投資テーマもファンド成績に大きく影響する。たとえば、90年代の後半は成長株中心ファンドが素晴らしい成果を上げ、2000年から2006年は割安株専門ファンドが平均を上回る成績を上げている。ようするに、時流の投資テーマに乗ったファンドなら、それなりの数値を残すことができる。

たとえ、長年の実績があるファンドマネジャーのファンドに投資したとしても、今年も良い利益が得られるとはかぎらない。なぜなら、

1、ファンドマネージャーが他社に引き抜かれる可能性がある。

2、優秀ファンドマネージャーともなれば、あちこちから声がかかる。株に対する情熱も冷め、趣味に時間を割くようになり、株リサーチがおろそかになる。

3、成績の良いファンドには、投資者からの資金が更に集まり、ファンドが巨大化する。これは規模の不経済を引き起こすから、好成績を上げるのが困難になる。

4、好成績を理由に、ファンド会社が口座管理料金を値上げすることがある。これが、成績の低下につながる。

過去の実績が大事、という考え方は常識なっている。しかし、インデックス・ファンド以外に、この考え方を適用することはできない。

Stocks You Need To Know About

過熱するマーケット

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これは、S&P500指数に属する銘柄の、何パーセントが200日移動平均線より上にあるかを示したものだ。好調なマーケットを反映して、88.4%という数字だから500銘柄中、442が200日移動平均線より上で推移している。

最近、こんなに高い数値を見たことはない。そろそろ、利食いの売り物に用心だ。

Wall Street English

消費者物価指数

CPI running hotter than the Fed wants

連銀が維持したい数字よりも高い消費者物価指数が発表されたことを伝えるヘッドラインだ。

1月、食品とエネルギーを除いたコア指数は+0.3%を記録し、6月以来の高水準に達した。医療費の大幅上昇が原因だ。

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