Wednesday February 7, 2007

US Market Recap

目標株価は本当に計算できるのか?

グーグル(GOOG)はいくらまで買えるだろうか?29人のアナリストたちの目標株価を見ると、415ドルから650ドルまでのばらつきがある。現在、株は470ドルで取引されているから、650ドル論を信じるなら、グーグルはまだ割安だ。しかし、650ドル論が正しいという保証は無い。だれを信じたら良いのだろうか?さっそく、インターネット株アナリストの経験がある、ヘンリー・ブロジェット氏の話を紹介しよう。

どんなに優秀なアナリストでも、グーグルの正当株価は分からない。もちろん、これはグーグルに限ったことではなく、全ての株に言えることだ。正当株価、目標株価、株価ターゲット、と表現のしかたは色々あるが、これらの数値は100%科学的に計算されたものではなく、主観的要素がかなり入っている。

目標株価を弾き出すためには、過去のデータだけでなく、予想される収益や売上などが必要になる。問題は、アナリストによって、将来の見方が大きく違うことだ。たとえ同じ資料を持っていたとしても、強気なアナリストならとうぜん高めの収益を予想し、悲観的なアナリストなら極めて保守的な数値を発表する。これが、グーグルの目標株価に決定的な差が生じる一原因だ。

目標株価を算出するためには、予想される将来のキャッシュ・フローが必要になる。株価収益率や時価総額などは、簡単に割り出すことはできても、だれにも将来のキャッシュ・フローは分からない。だから、とうぜんの結果として推定することになる。言い方を換えれば、肝心の部分に見積もりが使われるわけだ。

推定される数字も、企業やセクターによって、大きな違いがある。グーグルのような若い成長株やインターネットセクターには、食品セクターに適用される地味なモノサシが使われることはなく、アナリストの高い期待感が尺度になる。ようするに、データの裏付けは無く、極端な言い方をすれば、グーグルの目標株価はアナリストの期待感で決まる。

だからといって、アナリストはいい加減な意見を発表して、株価を操作しようとしているわけではない。インターネットバブル時代に起きたリサーチ・スキャンダルで、今日のアナリストは極めて慎重になっている。現に、証券取引委(SEC)をあまりに恐れるあまり、最近のアナリストの意見は投資に使えるものが少ない。

過去のデータを基に、最新のソフトウェアを使って将来の収益やキャッシュ・フローを推定する今日でも、以前と同様に大きな許容誤差がある。目標株価を予想するのは、目隠しをして100メートル先の動く標的を撃ち落とそうとするようなものだから、アナリストに必要なのはレーザー・ガンではなく散弾銃だ。

Stocks You Need To Know About

国債利回り

ブレイクアウトは失敗だったようだ。一時4.9%台に入った利回りだが、また4.7%台に戻っている。次の焦点は、トレンドライン(赤)が維持できるかだ。(国債が買われると利回りが下がる。)


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上は週足。

Wall Street English

内部情報

S.E.C. Is Looking at Stock Trading

これはニューヨークタイムズからのヘッドラインだ。SEC(証券取引委)が株のトレードに注意を払っている、ということなのだが、どうしてだろうか?

The Securities and Exchange Commission has begun a broad examination into whether Wall Street bank employees are leaking information about big trades to favored clients, like hedge funds, in an effort to curry favor with those clients, executives at Wall Street banks said.

要約すると、ウォールストリートの金融機関は、大口取引などの内部情報を、ヘッジファンドなどの大切な客に流している疑いがある。

 

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