こんな数字がある。過去25年間を振り返ると、積極的に政治献金をしている企業の株価は、マーケット全体の成長率を2.5ポイント上回っている。「私個人的には驚かされるような事実ではありませんが、良い悪いは別にして、ワシントンの政治家に投資することは無駄ではありません」、とプルーデンシャル・ファイナンシャルのチャールズ・ガブリエル氏は言う。
経済コラムニストのマイケル・ブラッシュ氏によれば、見返りを考えれば、政治献金は決して多額なものではない。2年ごとに選挙がやって来るが、平均を見ると、企業が一人あたりの政治家に選挙資金として献金するのは約1700ドルから2000ドル(20万4000円から24万円)で、合計56人だ。
更に、ブラッシュ氏の調べによると、集中的に少数の政治家に献金するのではなく、献金する政治家の数は多ければ多いほど株価に好影響となる。
なぜ少ない額の献金が株価に良い結果をもたらすのだろうか?ミシガン大学のフセイン・グーレン教授は、こう説明している。「企業から見れば、一人頭約2000ドルは微々たる金額ですが、個人の平均献金は115ドルほどです。それに比べれば、2000ドルは多額です。たしかに選挙資金の40%から80%は個人からの献金ですが、やはり企業からの金額は目立ちます。」
ブラッシュ氏の話に戻ろう。「人数が多ければ多いほど良い、と言いましたが、議員なら誰でも構わない、というわけではありません。大切なのは、議会で重要な役についている議員や、企業の本拠地から立候補している議員に狙いをしぼることです。民主党の議員よりも、共和党議員に多く献金される傾向がありますが、株価を見る限り、民主党議員に献金したほうが有益です。」
政治献金に、もっとも熱心なのはロッキード・マーチン(LMT)、ボーイング(BA)、ゼネラル・エレクトリック(GE)などの政府と大きな契約を結んでいる企業だ。たとえば、GEが献金している政治家数は530人、ボーイングは442人、そしてロッキードは438人におよぶ。
大手銀行、バンクオブアメリカは450人に献金し、数なら上記の軍事産業に負けない。「現在、銀行が買収によって成長できる範囲は、連邦法によって限られています。もし議会がこの制限を取り払うなら、バンクオブアメリカ(BAC)は、積極的な買収で、市場を大きく伸ばすことが可能になります」、とモーニングスターのアナリスト、クレッグ・ウォーカー氏は指摘する。
世界最大手の小売業者、ウォルマート(WMT)は416人の政治家に献金している。コストを低く抑えるために、海外から安い製品を大量に輸入しているウォルマートだけに、貿易政策にはいつも目を光らせている。
