グーグル(GOOG)はいくらまで買えるだろうか?29人のアナリストたちの目標株価を見ると、415ドルから650ドルまでのばらつきがある。現在、株は470ドルで取引されているから、650ドル論を信じるなら、グーグルはまだ割安だ。しかし、650ドル論が正しいという保証は無い。だれを信じたら良いのだろうか?さっそく、インターネット株アナリストの経験がある、ヘンリー・ブロジェット氏の話を紹介しよう。
どんなに優秀なアナリストでも、グーグルの正当株価は分からない。もちろん、これはグーグルに限ったことではなく、全ての株に言えることだ。正当株価、目標株価、株価ターゲット、と表現のしかたは色々あるが、これらの数値は100%科学的に計算されたものではなく、主観的要素がかなり入っている。
目標株価を弾き出すためには、過去のデータだけでなく、予想される収益や売上などが必要になる。問題は、アナリストによって、将来の見方が大きく違うことだ。たとえ同じ資料を持っていたとしても、強気なアナリストならとうぜん高めの収益を予想し、悲観的なアナリストなら極めて保守的な数値を発表する。これが、グーグルの目標株価に決定的な差が生じる一原因だ。
目標株価を算出するためには、予想される将来のキャッシュ・フローが必要になる。株価収益率や時価総額などは、簡単に割り出すことはできても、だれにも将来のキャッシュ・フローは分からない。だから、とうぜんの結果として推定することになる。言い方を換えれば、肝心の部分に見積もりが使われるわけだ。
推定される数字も、企業やセクターによって、大きな違いがある。グーグルのような若い成長株やインターネットセクターには、食品セクターに適用される地味なモノサシが使われることはなく、アナリストの高い期待感が尺度になる。ようするに、データの裏付けは無く、極端な言い方をすれば、グーグルの目標株価はアナリストの期待感で決まる。
だからといって、アナリストはいい加減な意見を発表して、株価を操作しようとしているわけではない。インターネットバブル時代に起きたリサーチ・スキャンダルで、今日のアナリストは極めて慎重になっている。現に、証券取引委(SEC)をあまりに恐れるあまり、最近のアナリストの意見は投資に使えるものが少ない。
過去のデータを基に、最新のソフトウェアを使って将来の収益やキャッシュ・フローを推定する今日でも、以前と同様に大きな許容誤差がある。目標株価を予想するのは、目隠しをして100メートル先の動く標的を撃ち落とそうとするようなものだから、アナリストに必要なのはレーザー・ガンではなく散弾銃だ。
