Wednesday January 10, 2007

US Market Recap

狙いはベトナム、シンガポール、日本

世界の株式市場は、きびしい下げに襲われることだろう、と新年早々に言うのは、1987年の暴落を予想したマーク・フェイバー氏だ。「今年、マーケットは大きな修正を経験することになるでしょう。投資家が狼狽売りなら買い、現在のように有頂天なムードでは売りが正解です。」

上の言葉で分かるように、フェイバー氏は「人の行く裏に道あり花の山」、を実践するコントラリアンだ。ホンコンに本拠地を構える氏は、現に2001年から金の買いを推奨し、倍以上の利益を手に入れている。今回の大幅下落予想は、ブルームバーグとのインタビューで語られたものだが、話を要約してみよう。

下げるのは株だけではない。国債、社債、不動産も含まれる。消費者物価インフレが問題になり、株や債券に悪影響を与えることになるだろう。世界的な下げが展開される中で、一部の国、ベトナムとシンガポールだけが投資対象になる。

ベトナムのホー・チ・ミン株式指数は、2006年100%以上の伸びを記録し、アジアでは最高の成長率だった。シンガポールの株式指数は、去年+27%を達成し、モルガン・スタンレー・アジア・パシフィック指数(MSCI)の+15%を上回った。今年、ベトナムは既に10%増、シンガポールは0.6%増を示し、マイナス1%のMSCIとは正反対の動きだ。

新興市場投資には、慎重にならなければいけない。特に向こう3カ月は、ロシア、中国、そしてインド株には注意が必要だ。度重なる爆破事件、それに中央銀行による為替コントロールで、タイの株が割安になっている。しかし、ここで買ってはいけない。政治不安が解決されない限り、タイは投資対象からしばらく外した方が良い。

もう一つの明るい材料は日本だ。2006年、世界10大マーケットの中で、日本の成長率は最低だったが、今年は挽回の年になる可能性が高い。

さて、次は米国株式市場だが、14人の著名投資戦略家(ストラテジスト)は、全員口を揃えて「上げ」、を唱えている。2001年も、全員が上げを予想したが、その年、S&P500指数は13%の下落だった。バンテージポイント・ファンズの、ウェイン・ウィッカー氏はこう述べている。「フェイバー氏の言うような暴落は、予期せぬかなりインパクトのある事件が発生しない限り、起きる可能性はありません。」

今年も、フェイバー氏のお気に入り投資は金だ。「世界の中央銀行は貨幣供給量を増やすことができますが、金の供給量には限りがあります。金の価格は更に大きく上昇することでしょう。原油にも同様なことが言えます。アジアでのオイル消費は衰えを知りませんから、今年も原油価格は上げ方向です。」

季節外れの暖かい冬が原因になり、先物市場で、オイルが大きく下げている。狼狽売り、といった気配だから、そろそろ底打ちかもしれない。

Stocks You Need To Know About

マラソン・オイル

下落する原油価格が一因となり、オイル銘柄も低迷だ。しかし、ジム・クレーマー氏(ストリート・ドット・コム)は、BPやマラソン・オイル(MRO)が狙える、と言う。さっそくMROの週足チャートを見ると、けっこう良い形をしている。

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半値戻しレベル(50%)が支えになり、現在20週移動平均線に接触中だ。実際の試し買いは、日足のトレンドライン突破が無難だろう。

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Wall Street English

相反する意見

ストリート・ドット・コムのホームページに、正反対なヘッドラインが上下に並んだ。

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マイケル・コメアウ氏は、「株は下がらない」を主張し、ダグ・キャス氏は「下げ」予想だ。

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