US Market Recap
低ボラティリティ時代
ここ3年間を振り返ると、S&P500指数が一日で2%以上動いたことは、たったの2回しかない、と経済コラムニストのチェット・クリヤー氏は言う。「今日の米国株式市場には、低ボラティリティ、という言葉がピッタリです。1999年の一年だけで、一日でマーケットが2%以上変動したことは23回もありました。」
1999年のマーケットは、たしかに派手だった。インターネット銘柄が乱舞いし、一日で倍になる株が続出した。あの頃と今日を比べれば、間違いなく最近のマーケットはおとなしい。とうぜん疑問になるのは、低ボラティリティ時代には、どんな投資方法が適切なのだろうか?クリヤー氏の話に戻ろう。
先ず、金利状況から見てみると、連銀が短期金利を5.25%に据え置いてから、既に6カ月の月日が流れた。金利引下げを予測する人たちも多いが、連銀はしばらくこの状態を継続させることになるだろう。エネルギー、商品市場、それに新興市場のニュースで、時おりマーケットに波風が立つことはあると思うが、全体的には、静かなマーケットが予想される。
安定したマーケットは、投資者に好材料だろうか?不安定よりも良い、と言われるかもしれないが、一つ問題点をあげよう。今日のような平穏なマーケットでは、投資者が安心しきり、急いで持ち株を売る必要が無い。そのため、株の質に関係なく、ある程度割高なレベルに株価が上がらない限り、売り手が現れない。違った言い方をすれば、割安株が見つけにくい状態だから、ファンドマネージャーには頭痛の種だ。
1999年の終わりから2006年までを見ると、ラッセル3000指数は15.6%の利益があった。面白いのは、3.6%がキャピタルゲインによるものであり、ほとんどの利益は配当金だった。「2007年、投資者たちは、リスクに見合っただけのリターンを得ることは難しくなりそうです」、とリージェント・アトランティック・キャピタルのクリス・コルダロ氏は言う。
5、6年前なら、余剰資金を新興市場を専門に投資するミューチュアルファンドに入れておけば良かった。現に過去5年間、新興市場の社債を専門に扱うミューチュアルファンドに投資していれば平均で年16%の利益があったから、米国の社債ファンドの約3倍だ。しかし、これはもはや昔話、今日の状況で再演は難しい。
繰り返すが、今日の安定したマーケットでは、投資者が安心しきっているから、株の良し悪しに関係なく、価格が割高になってしまう。仮に、今年何か悪いことが起きたとしよう。当然、値下がり幅が大きいのは、質の低い株だ。だから声を大きくして言いたい。今日のマーケット状況で狙えるのは、内容のしっかりした、真の意味での優良株だけだ。
