Wednesday January 3, 2007

US Market Recap

著名投資戦略家4人の見方

はたして2007年は、皆が期待するゴルディロックス経済になるのだろうか?「ゴルディロックスと三匹のクマ」、というイギリスの童話からとられた名前だが、熱くも無く、冷たくも無い経済をゴルディロックス経済と呼ぶ。だから、ゴルディロックス経済は、インフレの無い、好調な経済だ、と言う人たちもいる。

さて、ここで心配になるのが米国住宅市場だ。ゴルディロックス経済が実現するには、米国経済に、低迷する住宅市場を跳ね飛ばすだけの力がなくてはいけない。ここで、二つのグラフを見てみよう。

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中古住宅販売件数の伸び率を示したものだが、明らかにダウントレンドだ。

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最近、少し頭打ちになっているが、これは売りに出されている住宅件数を示している。左側に「6 months」、と記されているが、現在売りに出されている住宅を全て売りつくすには、6カ月以上の月日が要る、という意味だ。こんな状況で、今年の株式市場は大丈夫だろうか?専門家たちの意見を要約しよう。

リチャード・バーンスタイン氏(メリルリンチ、チーフ投資戦略家):
2007年、S&P500指数は12%ほどの伸びになる。金利に関する、連銀の姿勢がハッキリしないため、1月のマーケットは方向性を欠きそうだ。今年のGDP(国内総生産)は、去年の率をちょうど1ポイントほど下回りそうだから、投資者は企業収益に注意を払う必要がある。期待できるセクターはテレコミュニケーション、避けるのはエネルギーと商品関連だ。投資資金は、株50%、国債30%、キャッシュ20%に分散することを勧めたい。

アビー・ジョセフ・コーエン氏(ゴールドマンサックス、チーフ投資戦略家):
住宅市場の下降は続くが、今年特に期待できるのは、レストラン、旅行、それに娯楽産業だ。全体的に、企業収益の成長率は下がるが、大きな下方修正の心配は無い。S&P500指数は1550に達するだろう。(現在1418.30)

デービッド・ビアンコ氏(UBSインベストメント・リサーチ 投資戦略家):
連銀は、3月に金利引下げを実行するだろう。S&P500指数は、1500以上で2007年を終了しそうだ。住宅市場が、2007年、底打ちになることは無い。

アブヒジット・チャクラボーティ氏(JPモルガン、投資戦略家):
ドル安が進むだけでなく、米国経済の減速が顕著になる。アジアやヨーロッパでは金利引き上げが続くが、アメリカは現状の金利据え置きになるだろう。連銀に失望した投資家が売ってくるはずだから、マーケットは今年前半、大きく下げる可能性がある。

Stocks You Need To Know About

ニュースとチャート

シリウス・サテライト・ラジオは、2006年、申込者数が82%増えた、と先ほど報道されていた。さっそく週足チャートを見てみよう。

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申込者数は増えたかもしれないが、株価の方は半分だ。ニュースを聞いたら、先ずチャートを確認しよう。

Wall Street English

あるエコノミストの意見

アーウィン・ケルナー氏が、こんなことを述べている。

Although the Federal Reserve has raised interest rates 17 times since the middle of 2004, money is still plentiful. The money supply is actually growing faster today than it was when rates were at their lowest.

2004年以来、連銀は17回の金利引き上げを実行したが、現在の貨幣供給量(マネーサプライ)は、有り余るほどある。今日のマネーサプライの伸び率は、金利が最低だったときより、速いテンポで上昇している。

金利を上げたのに、マネーサプライを増やした?これではインフレ退治にならない。

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