Saturday December 16, 2006

US Market Recap

広報担当官の目

これ以上すばらしい決算を発表することはできない。正にゴールデンだ、とアナリストたちは巨大インベストメント・バンカー、ゴールドマン・サックス(GS)の第4四半期決算をベタ褒めしている。そんなに見事な結果なら、株は棒上げ、と思うかもしれないが、13日、ゴールドマン・サックスは1ドル69セント安(マイナス0.85%)で取引を終了した。と書いたからといって、ニュースを聞いてからでは遅すぎる、と結論したいわけではない。

多数の人たちが、ゴールドマン・サックスの好決算ニュースを聞いたことだろう。実際に株を持っている投資者なら、さぞ嬉しかったに違いない。それでは、もしあなたが、ゴールドマン・サックスの内部関係者(インサイダー)なら、はたしてニュースをどう受け取っただろうか?たとえ最高経営責任者や、最高財務責任者ではなくても、現にその会社に勤務している人なら、外部の人たちとは決算発表に対する反応が違うはずだ。

ここで紹介したいのが、米国企業で20年以上の広報担当官の経験があるジョージ・グトウスキー氏だ。ニュース発表、記者会見だけに限らず、株主に対する情報サービスもあるから、広報担当官は企業の重要なスポークスマン、と言うこともできる。スポークスマンは、会社の代弁者のような立場だから、決して企業イメージを傷つけるようなことは口にしない。もちろんウソは言わないにしても、たとえどんなに悪いニュースでも、うまく包装して投資者たちの耳に届けるわけだ。

さて、ニュース発表の術を心得ているグトウスキー氏、ゴールドマン・サックス決算に関して、こんなことを語っている。「とにかく膨大な収益です。天文学的な数字、と言っても差し支えない結果です。経営陣たちには、莫大なクリスマス・ボーナスが支払われることでしょう。この決算発表を受けて、株はギャップダウン(窓を開けての下げ)で始まり、90日平均の出来高を上回って大引けをむかえました。

こんなに素晴らしい決算を発表しているのにもかかわらず、ゴールドマン・サックスの内部関係者たちは、最近6カ月間、まったく自社株を買っていません。それでは、逆に自社株売りが目立っているのでしょうか?調べてみると、売られたのはたったの21万5000株ですから、内部者たちは買いにも売りにも積極的ではありません。ついでに、機関投資家のようすも見てみましたが、内部者と同様に売っても買ってもいません。

好調に上げを展開してきましたから、投資者にとって、ゴールドマン・サックスは楽しいパーティーのようなものです。とにかく皆、このパーティーが永遠に続くことを願っています。問題は、今回のような決算発表を繰り返すことは、極めて難しい、ということです。空売り残も、2.25%から3%に増えています。まだわずかですか、たしかに先行き不安が見え始めています。」

http://tmadkam.blogspot.com/

チャートでクイズ

あなたのチャートIQに挑戦

下は、英語のセクションで紹介した、Eトレードの日足チャートです。(12月14日終了時点)どんなパターンが、できている可能性があるでしょうか?

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答え

「明けの明星」、買いシグナルです。(できれば真ん中の足は、陽線の方が良い)

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Wall Street English

Eトレード

Joining its online brokerage brethren Charles Schwab and Ameritrade, E Trade Financial  has decided to switch the listing of its common stock to Nasdaq Stock Market from the New York Stock Exchange. The change is set to take effect on Dec. 26.

現在ニューヨーク証券取引所に上場されているEトレードは、同業者のチャールズ・シュワブとアメリトレードが上場されているナスダックに移ることを決定した。ナスダックでのEトレード取引は、12月26日から始まる。(シンボルはETFC)

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