Thursday December 7, 2006

US Market Recap

意外な動きを展開する今年の相場

ウォール街には、5月に株を売って秋まで休むことを勧める、「Sell in May and Go Away」という格言がある。株式市場の歴史を振り返ってみると、5月から10月はパッとしないのだが、はたして今年はどうだったのだろうか?「たしかに5月の相場は低迷しました。と言っても、悪かったのは6週間だけです。特に9月は、すばらしいマーケットが展開されました」、と語るのはテクニカル・アナリストのマイケル・カーン氏だ。

「もう一つ、投資者たちを驚かせたことがあります。今年は、ブッシュ大統領の任期2年目です。大統領任期の二年目、特に第2と第3四半期に株が落ち込むのは有名な現象ですが、今年そんなことは全くありませんでした。正確に言えば、マーケットは夏から上げ続けています。」

単に今年だけが例外なのかは分からないが、悪いはずの時期に上げてしまったわけだから、皆が当てにしている新年ラリーはどうなるのだろうか?カーン氏の話に戻ろう。

「夏に底を打った大きな理由の一つは市場心理です。色々な指標で、投資心理を見ることができますが、とにかく今年の夏、投資心理は最悪の状態でした。往々にしてあることですが、皆が超悲観的な時に、マーケットは上昇を開始するものです。

コントラリアン(人と反対の行動を取る人、逆張り投資家)の立場から見れば、皆が意気消沈なら、既に売りは済んでいることが予測できます。単に持ち株の処分が終わっているだけでなく、空売り残も最高に達している可能性もあります。こんな状況で買いが入り始めれば、売り手も買い戻すしかありませんから、上げ速度は増す一方です。

先月、プットオプションとコールオプションの比率を示すプット/コールレシオは、極端に高いレベルに達しました。(マーケットが上がると思うならコールを買い、下がると思うならプットを買う。)この数字が意味することは、大多数の投資者が、マーケットの下げを予想していた、ということです。これも往々にしてあることですが、皆の意見と反対に動くのがマーケットです。現に、マーケットの上昇基調は全く崩れていません。

そして今、興味深いことが起きています。プット買いで失敗した投資者たちは、コール買いに徹しているのです。まだプット/コールレシオは極端に低いレベルまで下がっていませんが、明らかに投資心理は強気に一転しています。

ここで気になるのが、急落しているドルです。豊富なドルを保持する外国人投資家にとって、ドルの下落は投資の含み損になります。株に利益が出ていても、ドル安では利益幅が減ってしまいます。ですから、外人投資家による売りが、いつ起きてもおかしい状況ではありません。」

結局カーン氏も、昨日紹介したジューバック氏と同様な見解だ。アメリカはドルを救うために、金利を引き上げることはあっても、皆が期待する利下げを実行することは有りえない、というわけだ。

http://tmadkam.blogspot.com/

Stocks You Need To Know About

オイル

株に対して弱気なマイケル・カーン氏だが、オイル銘柄は行ける、と言う。そこでオイルセクターに連動する、OIHの日足を見てみよう。

1206oih.gif

ここ数日間、横ばいしている。もしブレイクアウトなら、上昇するチャンネルの上辺を先ず狙いたい。

Wall Street English

ドル安にどう対処?

ドル安が話題だ。コントラリアンな見方をすれば、皆がドル安を語っているわけだから、そろそろ底入れになるかもしれない。それはさておき、ドル安に投資者たちは、どう対処しているのだろうか?マッドマネーの、クレーマー氏はこう語っている。

Investors are "defaulting" to gold because they are looking at the declining dollar and the long bond rally "as a sign that things are getting very bad in the economy."

下落するドル、それに国債市場のラリーは米国経済の低迷を予測している。だから、投資者たちは金に避難場所を求めている。

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