December 2006 のトップ・ストーリー一覧

一般投資家の声を聞いてみよう

2007年、アメリカ経済、そして株式市場はどうなるでしょうか?フォーチュン誌は、そんな質問を読者にぶつけた。昨日一昨日と、二日連続でプロの意見を紹介したから、今日は個人投資者たちの声を聞いてみよう。

「マスコミは、まるで住宅市場が大暴落しているような報道の仕方ですが、実際に損を出しているのは、天井で住宅を購入した人たちです。来年、南部の不動産は安定するだけでなく、たぶん上昇するはずです。米国経済も、心配されたような落ち込みは無いと思います。イラクから兵を撤退させれば、米国経済は2010年まで、順調に伸びるのではないでしょうか。」 ケン・アンソニーさん(サウス・カロライナ州)

「マーケットは、ゆっくりとしたペースで上昇を続け、高値が更新されることでしょう。ですから、不動産から株へ資金を移す計画をしています。住宅市場は、来年も低迷すると思います。場合によっては、経済のハードランディングもありえますから、2007年は、バランスのとれた投資をするつもりです。」 マイク・シノポリさん(カナダ)

「現在の上げ相場は、長期的なベアマーケットにおける、一時的な上昇波動です。逆利回り現象が起きてから、既に1年近くの月日が流れましたが、これは株式市場の下げを予測しています。こんな状況ですから、私の投資口座は、国債が65%、株が35%です。」 ジャック・イーゴンさん(テキサス州)

「来年も、中国やインドの経済が大きく成長しそうですから、エネルギー・セクターが狙えると思います。アメリカ国内の雇用状況が健全ですから、小売銘柄も良いのではないでしょうか。」 ラグハバン・ヒルズボローさん(ニュージャージー州)

「多くのアナリストは、大型株の買いを推奨していますが、来年は割安株がテーマになるのではないでしょうか。例をあげれば、90年代のスター銘柄だった、サン・マイクロシステムズ(SUNW)です。」 マリオ・ロックビルさん(メリーランド州)

「家族代々、もう100年以上不動産に投資をしていますが、損を出したのは2回だけです。マスコミは単に大袈裟なだけで、真実が報道されていません。大きな上昇の後には、必ず修正がやって来ます。今、アメリカの住宅市場が経験しているのは、一時的な下方修正で、決して暴落ではありません。問題は需給関係です。売りに出されている住宅が多数ありますから、これらが片付くには、2008年から2009年までかかるかもしれません。」 Mさん(マサチューセッツ州)

「マーケットの上げ下げは、どうでもいいことです。大きく下がるなら、予定していた倍の金額をミューチュアルファンドに入れて、大きな上げなら利食えば良いのです。」 Vさん (ワシントン州)

今年の相場も終わりです。楽しい年末、明るい新年をお迎えください!

鎌田

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2007年の買い候補として、キプリンジャー・フォーキャスツは3M(MMM)や保険会社のアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)をあげていることを昨日紹介したが、ファンドマネージャーたちは、どんな株を狙っているのだろうか?いくつか見てみよう。

・ダニエル・マニオン氏(センティネル・アッセット・マネージメント):「エレベーター、エスカレーター、動く歩道、暖房システム、それに空気調節装置で有名なユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)に期待できます。来年も、中国の建築ブームは続きます。言い換えれば、UTXは中国関連銘柄の一つです。」

・マイク・ホランド氏(ホランド・ファンド):「今年のマーケットを振り返って分かることは、優良大型銘柄の活躍です。来年も大型株が中心に買われることでしょうから、ゼネラル・エレクトリック(GE)が良いと思います。収益を考慮すると、株価はまだ割安ですから、遅かれ早かれ、GEは投資者たちに再発見されることでしょう。」

・ドン・ホッジズ氏(ホッジズ・ファンド):「2006年、航空会社が買われましたが、サウスウエスト航空(LUV)が出遅れています。この業界で、サウスウエストほどビジネス・モデルが整っている企業はありませんから、来年は情勢が大きく変わることでしょう。石油掘削装置メーカー、トランスオーシャン(RIG)も注目です。供給量が需要に追いついていない状態ですから、オイル価格の上げ下げは関係ありません。」

・ケビン・シャクノフスキー氏(アルパイン・ダイナミック・デビデンド・ファンド):「株価の低迷が続くローワン・カンパニーズ(RDC)ですが、来年はカムバックの年になりそうです。ビジネスの多様化が、順調に進んでいますから、収益は大きく伸びるはずです。ゲートハウス・メディア(GHS)の配当金が魅力的です。現在の利回りは6%ほどです。しかし、キャッシュフローが更に良くなることが予測されるので、増配になる可能性があります。」

ジェーソン・キャンター氏(RBCキャピタル・マーケッツ):「ギリアード(GILD)で研究が続けられている、エイズ治療薬に良い実験結果が出そうです。また、ギリアードで製造されている薬品は、世界的に販売されていますから、他の米国中心の製薬会社より有利です。」

・ジェフ・クライントップ氏(PNCウェルス・マネージメント):グッドリッチ(GR)、と言えばタイヤメーカーと思う人が圧倒的に多いですが、ビジネスは多様化しています。飛行機の機体、エンジンなどの部門も揃い、ボーング社からの受注が大きく増えそうです。アジアでのビジネスも伸びることが予想されますから、グッドリッチは買いです。」

住宅市場の低迷、企業収益成長率の低下、利下げに消極的な連銀、膨大な貿易赤字、など悪材料はいくらでもある。しかし、キプリンジャー・フォーキャスツは、2007年、S&P500指数に7%から12%の伸びを期待できる、と発表している。もちろん、それが実現するためには、起きては困る事柄がいくつかある。

1、地政学的要素: 言うまでもなく、私たちは危険な世界に住んでいる。イラン、北朝鮮の核問題だけでなく、イラク、レバノン、パキスタン、ベネズエラ、そしてロシアも不安な存在だ。これらの国々で一大事となれば、とうぜん世界の株式市場にダメージを与えることは間違いない。

2、オイル: テロ活動などが原因となって、もし中東からのオイル生産量が大幅に減るような事態も、世界の株式市場を混乱に巻き込む。場合によっては、オイル価格が1バレル100ドルを突破することもありえるから、中東情勢には常に注意を払う必要がある。

3、不況: オイル高、ガソリン高が現実化となれば、既に住宅市場低迷のアメリカは不景気に陥るだろう。個人消費が冷えこみ、企業収益も下降することになるから、株価にはマイナス材料だ。

4、インフレ: エネルギーと食品を除くと、2005年のインフレ率は2.2%だった。2006年(1月から9月まで)、この数値は2.4%に上がり、連銀は神経質になっている。更に悪化なら金利は引き上げられ、株安を引き起こすことだろう。

5、ドル安: 巨額な貿易赤字に嫌気をさした外国政府が、大きくドルを売る可能性がある。ドル安はアメリカ国内にインフレを起こし、連銀は金利引き上げ政策に戻る。株は高金利を嫌うから、とうぜん株式市場は低迷だ。

それでは、2007年に狙える銘柄は何だろうか?キプリンジャー・フォーキャスツの推奨を見てみよう。

1、3M(MMM):3M、と聞くとセロテープを思い出す人が多いが、3Mは6つのセクションで構成される国際大企業だ。2007年度の収益を考慮したPER(株価収益率)は16、と割安だから株価は95ドルに達しても不思議ではない。(現在の株価は78ドル39セント)

2、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG):企業スキャンダルも一段落となり、株主との信頼関係が回復している。収益も順調に伸び、現在11のPER(2007年度の予想利益で計算したもの)が、業界平均の15に追いつけば、株価は100ドルを達成できる。(現在の株価は72ドル25セント)

3、アーチ・コール(ACI、大手石炭会社): とにかく割安だ。主要電力会社は、電力発電原料として石炭を30%ほど増やす計画を発表しているから、アーチ・コールには大きな成長が期待できる。

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米国経済クイズ10問

クリスマスも終わり、今年の相場も大詰めだ。クイズ形式で、2006年度の米国経済ニュースを振り返ってみよう。

1、4四半期連続で、史上最高の収益を発表した企業はどれ?

A、バンク・オブ・アメリカ
B、エクソンモービル
C、グーグル
D、ウォルマート

2、連銀が景気の冷え込みを最も心配しているセクターはどれ?

A、自動車産業
B、住宅市場
C、製造業
D、小売業

3、史上最高値を記録した株式指数はどれ?

A、S&P 500指数
B、ダウ指数
C、ナスダック指数
D、ラッセル5000指数

4、7月、クルードオイルは史上最高値を記録したが、その価格は1バレル(159リットル)当たりいくら?

A、65ドル50セント
B、78ドル40セント
C、85ドル80セント
D、98ドル50セント

5、8月、ガソリン価格が高値を更新したが、その値段は1ガロン(3.785リットル)当たりいくら?

A、3ドル3セント
B、3ドル5セント
C、3ドル25セント
D、3ドル65セント

6、現在上場されている自動車メーカーの中で、非上場化を考慮しているのはどこ?

A、ゼネラルモーターズ
B、フォードモーター
C、ホンダ
D、ルノー

7、2008年、マイクロソフト会長ビル・ゲイツ氏は

A、更に10億ドルにおよぶ個人資産増が見込まれる
B、会長職を辞任する
C、マイクロソフトにおける毎日の任務から身を引く
D、ゲイツ・ファンデーションから引退する

8、大手小売店ウォールマートは、ジェネリック医薬品(ノーブランド医薬品)の値段を一律化したが、その値段はいくら?

A、10ドル
B、8ドル
C、4ドル
D、3ドル

9、フォードモーターの新最高経営責任者の名前は?

A、ビル・フォード
B、アラン・ムラリー
C、カーロス・ゴーシン
D、リック・ワゴナー

10、懲役24年以上の判決を言い渡された、元エンロンのトップ経営幹部はだれ?

A、リチャード・コーシー
B、アンドリュー・ファストー
C、ケネス・レイ
D、ジェフリー・スキリング

正解:(クイズはUSA Todayより)

1、Bのエクソンモービル

2、Bの住宅市場

3、Bのダウ指数

4、Bの78ドル40セント

5、Aの3ドル3セント

6、Bのフォードモーター

7、Cのマイクロソフトにおける毎日の任務から身を引く

8、Cの4ドル

9、Bのアラン・ムラリー

10、Dのジェフリー・スキリング

それでは、2007年、アメリカは不況に落ち込むだろうか?ダウジョーンズ社が、8人の著名エコノミストをインタビューした結果を見ると、不況予測はゼロだ。経済成長率は+2.6%ほどになるようだから、2003年以来の低成長になる。連銀も心配しているように、8人のエコノミストは、来年も住宅市場の低迷は続く、と回答している。

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あなたはトレード依存症?

好きこそものの上手なれ、と言われるが、好きの度合も過激なレベルに達すると中毒患者と変わりがない。寝ても覚めても頭の中は株だけ。マーケットの無い土日はイライラし、とにかく月曜が待ち遠しい。もし、あなたもこんな状態なら、正真正銘の株中毒、トレード依存症かもしれない。

ご存知のように、アルコール依存症の人は、ほとんどの場合、自分がアル中だとは思っていない。同様に、株中毒にかかっている人たちも、なかなかそれを認められないのが事実だ。ひょっとしたら、あなたはトレード中毒におかされているかもしれない。さっそく、トレード依存症の症状を見てみよう。

1、株に夢中になりすぎて、仕事に遅刻したり欠勤することはないだろうか?

2、あなたのトレードは、家族の迷惑になっていないだろうか?

3、トレードが原因で友人を失ったり、同僚からの信頼を失っていないだろうか?

4、トレードが終わった後、よく後悔したり、罪悪感に悩まされることはないだろうか?

5、住宅ローン支払い用の金や、子どもの教育資金を株に回すようなことはないだろうか?

6、トレード以外に、あなたは人生の目的があるだろうか?

7、トレードで損を出した時のことを考えてほしい。直ぐ損を取り戻そうとして、躍起になって何度も売買を繰り返さなかっただろうか?言い方を換えれば、復讐を誓ったような態度になっていなかっただろうか?

8、利益を上げた場合はどうだっただろうか?今日はラッキーだ、と信じこんで、無駄なトレードを重ねなかっただろうか?

9、あなたは、資金が無くなるまで徹底的にトレードをするタイプだろうか?

10、自宅を担保にしてトレードしていないだろうか?

11、高価なものを売り払って、それをトレード資金にしていないだろうか?

12、たとえどんなに儲けても、その金をトレード以外に使うことができない。

13、トレードに最善の注意を払っても、家族や友人、そして同僚の気持ちを察することができない。

14、トレードは1時間半だけ、と決めていても、けっきょく大引けまでモニターの前から離れることができない。

15、暇つぶしにトレードをすることはないだろうか?

16、銀行などから正当な方法で金を借りるのではなく、高利貸しから資金を借りてトレードしていないだろうか?

17、トレードのことで頭がいっぱいになり、不眠症になっていないだろうか?

18、妻と言い争ってムシャクシャする。子どもがうるさくてイライラする。そんな気分を転換するためにトレードをすることはないだろうか?

19、結婚記念日、誕生日などをの重要な日を、トレードをすることで祝うことはないだろうか?

20、トレードが原因で、自殺を考えることはないだろうか?

もし上の20項目のうち、7つ以上に心当りがあるなら、あなたは株中毒におかされている可能性がある。

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「どんなに慎重な準備をしても、バンジージャンプやスカイダイビングには危険が伴います。同様に、自動車での通勤にも交通事故に巻き込まれる危険性があります。しかし私たちは、自動車の運転よりスカイダイビングの方が危ない、と思っているのではないでしょうか?」、と切り出すジェイミー・ドルゴッシ氏(ラショナル・インベスター)だが、いったい何を言いたいのだろうか?話を続けよう。

「変な言い方になってしまいましたが、最近の株式市場を見ていると、ついそんな言葉が出てしまいます。ここ6カ月間で、マーケットの危険/報酬比(リスク/リワード比)が大きく変わっています。このレベルで、わざわざ危険をおかして株を買うことは、どうしても私にはできません。

今日のマーケットは、1990年代の終わりに似ています。インターネット銘柄が、毎日のように上げていましたが、私は買いませんでした。明らかに、正当評価額を大幅に上回っていましたから、少しずつ空売りを増やしていきました。実際に利益が出たのは2000年に入ってからですが、そんなことは、私には全く気になりませんでした。

今日も同じことが起きています。違いは、インターネット銘柄が、住宅建築銘柄に入れ替わっていることです。今の時点で、住宅建築銘柄を空売っても、たぶん直ぐには儲からないでしょう。しかし、明らかに異常な株価で取引されていますから、どちらにしても空売りで利益を上げることができるはずです。

住宅市場は最悪の事態を脱出した、と言うアナリストたちがいますが、そんなチアリーダー的な意見は無視してください。現在、有り余るほどの住宅が売りに出されています。それに、住宅価格が少しでも回復したら売りに出そう、と考えている人たちも多数います。既に需給バランスは完全に崩れているのです。アナリストには、そんな基本的なことが分かっていないのでしょうか?

率直に言えば、住宅市場の下げサイクルは、まだ半分ほど終了しただけです。2007年、アメリカが不況に落ち込むとは思いませんが、経済の成長速度がスローダウンすることは確かです。こんな状態では、先ず住宅市場が上向くことは無理です。

現時点で買えるものは何でしょうか?短期的に期待できる銘柄はありますが、総合的に見ると、国債、不動産、株、どれも割高で魅力がありません。ですから、私たち個人投資家が今することは、プロたちが資金をどう動かしているかを見ることです。

最近目につくのは、プライベート・エクイティ投資会社の活躍です。先ず、機関投資家から資金を集めて、将来有望な企業を買収します。経営陣の入れ替えなどをして、実際に会社の再建が済んだらを売却して、利益を機関投資家に分けるのがプライベート・エクイティ投資会社の仕事です。」

と言っても、個人投資家がプライベート・エクイティに参加するのは難しいから、PowerShares Listed Private Equity Portfolio(PSP)、という上場投信を利用すると面白いだろう。

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長期投資としてだけでなく、スイングトレードやデイトレードにも使える、上場投信(ETF)が人気を集めている。ダイヤモンド(DIA)のような指数型から、BBHのように特定セクターに連動するもの、それに日本株だけを狙うEWJなどがあるから種類は豊富だ。ジム・ジューバック氏(MSNマネー、シニア・エディター)が、2007年に注目できる上場投信を紹介しているので、そのいくつかを見てみよう。

オイル:

2007年2月、OPEC(石油輸出国機構)はオイルの減産を開始する。とうぜん、アメリカ国内のオイル在庫量も減ることになるから、2007年の第1四半期には、オイル価格の上昇が既に予想されている。実際にオイルが上がり始めてからでは遅いから、今からオイル関連に投資することが好ましい。

利用できる上場投信は、オイル・サービス・ホールダー(OIH)だ。その他にも、エネルギー・セクター・スパイダー(XLE)に投資する手もあるが、オイル・サービス・ホールダーには海外のオイル銘柄も含まれているから、幅広い投資が可能になる。

住宅関連:

現時点では、住宅市場の下げが終了した、と結論することはできない。しかし、株式市場の動きが示しているのは、2007年後半の住宅市場回復だ。テクニカル的な観点から言えば、住宅市場に投資する上場投信は、8月に底を打っている。スパイダー・ホームビルダーズ(XHB)が狙いだ。

金:

ドル安のヘッジには金が最適だ。2007年、米国経済成長のスローダウン、それにヨーロッパや日本での金利引き上げが予測されるから、ドルが売られることになるだろう。もちろん、米国が抱える巨額な貿易赤字も、ドル安要因になるのは言うまでもない。

金投資専門の上場投信なら、マーケット・ベクターズ・ゴールド・マイナーズ(GDX)が良いだろう。直接個別'銘柄を狙うなら、バリック・ゴールド(ABX)、ニューモント・マイニング(NEM)、アングロ・ゴールド・アシャンティ(AU)などがある。

航空会社:

オイルの値上がりは、航空会社に悪影響を与えるが、売り叩かれた航空会社株を拾うことを忘れてはいけない。季節的に寒い冬に旅行者は減り、夏休みシーズンに大きく旅行者が増えるから、第1四半期が終了近くなったら、航空セクターに目を向けたい。

残念ながら、航空会社だけを扱った上場投信が無い。もし投資するなら、ダウジョーンズ輸送上場投信(IYT)が良いだろう。

日本:

最近、為替市場に不思議なことが起きている。ドルはユーロに対して安くなっているのだが、円に対しては高くなっている。具体的に言えば、5月から、円はドルに対して8%の下げだ。原因は、既に報道されているように、7月以来まだ日銀が金利を引き上げていないためだ。

日本の経済は、皆が思っている以上に強い。1月に金利の引き上げが無いにしても、2007年中には間違いなく金利が引き上げられるから、円高になるのも時間の問題だ。とうぜん円高は外国人投資家を呼ぶことになるから、株式市場にも好影響になるだろう。狙いの上場投信はMSCIジャパン(EWJ)だ。

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マーケットが2日連続で上がったとしよう。3日めは買うべきだろうか、それとも売るべきだろうか?こんな質問をするのは、「The Psychology of Trading(トレードの心理学)」の著者、ブレット・スティーンバーガー氏だ。大学で助教授を務める氏は、単に机上の知識だけでなく、自らも先物指数のトレードをしている。それでは、質問の答えを聞いてみることにしよう。

「S&P500指数に連動する、スパイダー(SPY、上場投信)を使って調べてみました。2004年以来、スパイダーが2日連続で上がったことは233回ありました。さて三日後を見てみると、スパイダーは平均で0.02%の損が出ています。逆に、スパイダーが二日連続で下がったことは146回ありましたが、三日後は平均で0.25%の上昇になっています。明らかに、二連勝の後に買うのは不利です。

ナスダック100指数に連動する、QQQQでも調べてみましたが、結果は同様なことが言えます。二日連続で上げが展開されると、三日後は平均で0.01%の損です。しかし、二日連続で下げると、三日後の平均利益は0.07%です。繰り返しますが、二日連続の上げなら、三日目は買い手に分がありません。」

スティーンバーガー氏も自らトレードをしている、と上記したが、氏はこんなアドバイスをしている。「トレードの目的は利益を上げることですが、大切なことは、黒字で一週間を終える、ということです。プラスで週末を迎えるには、一回のトレードで大きな損を出すことは許されません。

マーケットは、あなたの計画など全く気にしていません。思惑どおりに行ったからといって、それはマーケットが、あなたに協力してくれたのではありません。空売りが成功した、と喜んでいても、突然の反転で利益が吹き飛ぶことなど珍しいことではありません。トレンドに乗り続けることは大切ですが、利益が出たら、一部を手仕舞う習慣を身につけてください。違った言い方をすれば、マーケットから利益を取ってやろう、という考え方ではなく、マーケットが与えてくれるものを受け取ることが肝心です。

移動平均線、MACD、ストキャスティクス、と様々な指標が売買判断に使われます。もし、それらの指標が逆方向に動くなら、利益の有る無しにかかわらず、直ぐポジションを手仕舞ってください。状況が変化したら、とにかく脱出です。間違っても、手仕舞わなくても良い理由探しをしてはいけません。信号が赤になったら、誰も道を横断しません。横断できる理由を探して、わざわざ道を渡るのは、自ら事故を求めるようなものです。」

クイズ7問

そろそろクリスマス、そして大晦日がやって来ます。2006年は、皆さんにとってどんな年だったでしょうか?11月の中間選挙では、ブッシュ大統領の共和党が破れ、任期の残り2年間、大統領は苦しくなりそうです。おっと、政治の話はやめましょう。年末です、今年のデータを振り返って、ここはクイズ、と行きましょう。

1、アメリカで最も治安の良い安全な市はどこでしょうか?(正解は下を参照)

A、ブリックタウンシップ(ニュージャージー州)
B、グリース(ニューヨーク州)
C、オレム(ユタ州)
D、アーバイン(カリフォルニア州)
E、トロイ(ミシガン州)

2、アメリカで最も治安の悪い市はどこでしょうか?

A、デトロイト(ミシガン州)
B、フリント(ミシガン州)
C、カムデン(ニュージャージー州)
D、メンフィス(テネシー州)
E、セントルイス(ミズーリ州)

3、アメリカで最も大卒者の多い市はどこでしょうか?

A、サンフランシスコ(カリフォルニア州)
B、シアトル(ワシントン州)
C、ロサンゼルス(カリフォルニア州)
D、ダラス(テキサス州)
E、バッファロー(ニューヨーク州)

4、アメリカで最も人口増加率の高い市はどこでしょうか?

A、ラスベガス(ネバダ州)
B、エルクグローブ(カリフォリニア州)
C、ロサンゼルス(カリフォルニア州)
D、マイアミ(フロリダ州)
E、シカゴ(イリノイ州)

5、アメリカで最も住宅の高い市はどこでしょうか?

A、パロアルト(カリフォルニア州)
B、サンフランシスコ(カリフォルニア州)
C、サンタモニカ(カリフォルニア州)
D、マイアミ(フロリダ州)
E、ビバリーヒルズ(カリフォルニア州)

6、アメリカで最も住宅が安い市はどこでしょうか?

A、ミントン(ノースダコタ州)
B、アーリングトン(テキサス州)
C、トピーカ(カンザス州)
D、コロナ(カリフォルニア州)
E、ワラワラ(ワシントン州)

7、アメリカで最も住宅の値上がり率の高い市はどこでしょうか?

A、ロサンゼルス(カリフォルニア州)
B、ビバリーヒルズ(カリフォルニア州)
C、セーレム(オレゴン州)
D、シカゴ(イリノイ州)
E、シアトル(ワシントン州)


正解
1、Aのブリックタウンシップ(ニュージャージー州)です。犯罪の被害を受けたのは、10万世帯中の55世帯です。

2、Eのセントルイス(ミズーリ州)。犯罪にあったのは10万世帯中の2405世帯。

3、Bのシアトル(ワシントン州)。52.7%が大卒です。

4、Bのエルクグローブ(カリフォリニア州)。11.4%の増加です。

5、Eのビバリーヒルズ(カリフォルニア州)。平均的な4寝室、2浴室付きの住宅価格は180万ドル(約2億1300万円)。

6、Aのミントン(ノースダコタ州)。平均的な4寝室、2浴室付きの住宅価格は13万2333ドル(約1560万円)。

7、Cのセーレム(オレゴン州)。住宅中間価格は24.7%の上昇です。

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消費者ムードが悪化するアメリカ

6月の底から、ダウ指数は16.2%の上昇だ。悪くない、と思われるかもしれないが、海外に目を向けると全く自慢できる成績ではない。同時期を比べてみると、オーストラリアの成長株に投資するファンドは+26.3%、ブラジルは+46%、そして中国は+53%だ。なぜ、米国株式市場はこうも遅れをとってしまったのだろうか?さっそく、マーチン・ワイス氏(MoneyandMarkets.com)の意見を聞いてみよう。

「アメリカは史上最大の貿易赤字を抱えています。それに、多額な財政赤字もあります。米国経済に重要な、自動車産業と住宅市場は低迷していますから、国内経済成長率は貧弱な+2.2%です。

これは、滅多にマスコミが取り上げることはありませんが、消費者のムードに変化が起きています。具体的に言えば、4月、110を記録した消費者信頼感指数は、11月、102.9に下落しています。2002年の2月、と言えば9月11日の惨事から、まだ回復ができていない状態ですが、60%の国民がアメリカ経済は良い方向に向かっている、と回答しています。しかし今日、この数値は、たったの25%にすぎません。

どうして消費者は、こうも悲観的になっているのでしょうか?長引くイラク戦争を指摘する人たちもいますが、大きな原因は二つあります。先ず、極めて低い貯蓄率です。そして、クレジットカードや車のローンなどの借金です。特に、ここ7年間の借金は異常なスピードで増えています。これだけの借金を抱えるには、普通なら200年ほどかかるはずです。

ブラジルとオーストラリアの株が好調ですが、両国には、広大な土地と豊な資源があります。しかし、オーストラリアには、一つ欠けているものがあります。労働力に必要な、人口が少ないのです。以前なら、ヨーロッパやアジアからの移民はアメリカに限られていましたが、最近はオーストラリアに人材が向かっています。この移民政策が成功して、ここ14年間、オーストラリアは不況に襲われたことがありません。

4年前、ブラジルに新政権が誕生した時、ウォールストリートはブラジル経済の大きな冷えこみを予想しました。しかし、現実は、その全く反対になったのです。ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領は貿易に力を入れ、国内経済の再建に成功しました。それだけでなく、国際通貨基金から借りていた金も返済したのです。

ブラジル、オーストラリア、中国に投資する簡単な方法は、ミューチュアルファンドや上場投信を利用することです。注意したいのは、上げが続いている時に買うのではなく、利食いによる下げが来るのを待ってください。人気化しているものに飛び乗るのは、高値つかみになりやすいですから、気をつけてください。それから、資金の全部をブラジルやオーストラリアにつぎ込むのではなく、必ず一部を短期債券に回すことを勧めます。」

次々と種類が増える上場投信(ETF)だが、最近ウルトラ上場投信という耳慣れないものが注目されている。先ず、簡単に説明しよう。NASDAQ 100 Trust Shares (QQQQ)をご存知の方もいると思うが、これはナスダック100指数に連動する上場投信だ。連動するわけだから、ナスダック100指数が1%上昇すると、QQQQも同様に1%上がるしくみになっている。

基本的に、ウルトラ上場投信もナスダック指数に連動するのだが、決定的な違いは動く幅だ。具体的に言うと、ウルトラ上場投信は、ナスダック100指数が1%上がると2%上昇する。だからデイトレードの場合、レバレッジが4倍あるから、ウルトラ上場投信をデイトレードするとレバレッジは8倍だ。

ナスダック100指数に連動するウルトラ上場投信は二つある。先ず、Ultra QQQ Proshares(QLD)。これは、ナスダック100指数が上がる、と思う時に買うものだ。繰り返しになるが、ウルトラ上場投信は動きが2倍になるから、ナスダック100指数が1%上がると2%上昇する。

次はUltre Short QQQ(QID)。Shortは「空売り」のことだから、もしナスダック100指数が下がる、と思う時にQIDを買う。言い方を換えれば、Ultra QQQ Proshares(QLD)がコール・オプション、そしてUltre Short QQQ(QID)は、プット・オプションのようなものだ。

ダウ指数に連動するウルトラ上場投信を記そう。上げ方向の予想なら、Ultra Dow30(DDM)を買い、下げの予想なら、Ultra Short Dow 30 (DXD)を買う。S&P500指数の場合も、二つのウルトラ上場投信がある。強気なら、Ultra S&P500 (SSO)を買い、弱気ならUltra Short S&P500(SDS)の買いだ。

投資心理の研究で有名な、ブレット・スティーンバーガー氏は、こんなことを発表している。「出来高を調べてみました。7月13日から先月末までを前半と後半で比較すると、Ultra QQQ Proshares(QLD)の出来高は+51%、そしてUltre Short QQQ(QID)の出来高は+217%です。明らかに、トレーダーや投資者は下げを予測しています。また、ファンドマネージャーたちは、ヘッジの意味でUltre Short QQQ(QID)、Ultra Short S&P500(SDS)、それにUltra Short Dow 30 (DXD)を利用しているようです。」

たしかに好調なマーケットが続いているが、スティーンバーガー氏の言うように、万が一に備えてウルトラ上場投信(空売り型)を買っておくのは良いアイディアだ。

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ペーパートレードのススメ

新人トレーダーが、最も頻繁に犯す過ちは何だろうか?「単に金銭的な報酬だけでなく、トレードはやりがいのある仕事です。大きな夢を抱いて、トレーダーとしての人生を踏み切るのはいいのですが、多くの人たちが同じ間違いを繰り返しています」、と語るのはアンジュリル・アナリティクスでヘッド・トレーダーを務めるジョン・フォーマン氏だ。話を続けよう。

「とにかく頻繁なのが、売買執行の間違いです。買わなければいけないのに、売りのボタンを押してしまう。持ち株以上の株数を売ってしまう。シンボルを打ち間違えて、全く予定していなかった株を買ってしまう。ようするに不注意なのです。売買を執行しようとすると、画面には必ず確認のページが表示されますから、よく読んで間違いがないかを確かめでください。最初から、オーダーで失敗していたのでは話になりません。

資金的に余裕が無い人は、トレードを始めてはいけません。生活費の一部でトレードなどしようものなら、大きなプレッシャーとなって、利益を上げることなど無理です。それから、トレード資金は多ければ多いほど有利になります。当たり前のことですが、株が10セント上がっても、持ち株が100株なら利益はたったの10ドルです。しかし、1000株トレードできる人なら10セントでも利益は100ドルですから、豊富な資金はトレーダーの強い味方です。

ここで指摘したいのは、最初から1000株でトレードしてはいけません。先ず、少なめの株数で始めてください。リアルタイムでのチャート分析、それに売買執行方法を完全に身に付けてください。できれば、最初の数週間はペーパートレードにして、自分の売買方法で本当に良い結果が出るかを確かめてください。

感情的になってはいけません。早く損を取り戻したいのは誰でも同じですが、感情的になりすぎると、完全に冷静な判断ができなくなってしまいます。明らかにチャートはダウントレンドなのに、頭に血がのぼると、そんな簡単なことも見えなくなり、狂ったように買ってしまうのです。トレードは復讐ゲームではありません。

新人は、取引回数が多すぎます。少し株価が動くと、直ぐに買ってしまうのです。これを防ぐには、自分の売買ルールを確立することです。プロトレーダーで、毎日100回以上の売買をする人たちがいますが、これは決して頻繁すぎる売買ではありません。彼らは自分のルールに従い、その結果が100回のトレードになったわけですから、感情的な売買とは性質が違います。

多くの新人は、あまりにもトレード知識が不足しています。本を1冊や2冊読んだだけでは、トレードの勉強をしたとは言えません。セミナーなどにも参加して、徹底的にペーパートレードをしてください。実トレードはそれからです。ペーパートレードは、自分のスタイルを確立するのに、大きく役立つことも付け加えておきましょう。

ペーパートレードを繰り返していると、自分がどんなトレードに向いているかが分かってきます。ある人は、自分は1分足チャートを使ったスカルピングに向いていることを発見し、ある人は、数日間ポジションを持ち続ける、スイングトレードに向いていることに気がつくでしょう。

トレードできるのは、単に株だけではありません。株が性に合わなくても、先物や商品に向いている人たちもいますから、ペーパートレードで、色々なマーケットを試してください。現に私の知人は、株ではパッとしませんでしたが、為替に切り替えたらうまく行っています。」

広報担当官の目

これ以上すばらしい決算を発表することはできない。正にゴールデンだ、とアナリストたちは巨大インベストメント・バンカー、ゴールドマン・サックス(GS)の第4四半期決算をベタ褒めしている。そんなに見事な結果なら、株は棒上げ、と思うかもしれないが、13日、ゴールドマン・サックスは1ドル69セント安(マイナス0.85%)で取引を終了した。と書いたからといって、ニュースを聞いてからでは遅すぎる、と結論したいわけではない。

多数の人たちが、ゴールドマン・サックスの好決算ニュースを聞いたことだろう。実際に株を持っている投資者なら、さぞ嬉しかったに違いない。それでは、もしあなたが、ゴールドマン・サックスの内部関係者(インサイダー)なら、はたしてニュースをどう受け取っただろうか?たとえ最高経営責任者や、最高財務責任者ではなくても、現にその会社に勤務している人なら、外部の人たちとは決算発表に対する反応が違うはずだ。

ここで紹介したいのが、米国企業で20年以上の広報担当官の経験があるジョージ・グトウスキー氏だ。ニュース発表、記者会見だけに限らず、株主に対する情報サービスもあるから、広報担当官は企業の重要なスポークスマン、と言うこともできる。スポークスマンは、会社の代弁者のような立場だから、決して企業イメージを傷つけるようなことは口にしない。もちろんウソは言わないにしても、たとえどんなに悪いニュースでも、うまく包装して投資者たちの耳に届けるわけだ。

さて、ニュース発表の術を心得ているグトウスキー氏、ゴールドマン・サックス決算に関して、こんなことを語っている。「とにかく膨大な収益です。天文学的な数字、と言っても差し支えない結果です。経営陣たちには、莫大なクリスマス・ボーナスが支払われることでしょう。この決算発表を受けて、株はギャップダウン(窓を開けての下げ)で始まり、90日平均の出来高を上回って大引けをむかえました。

こんなに素晴らしい決算を発表しているのにもかかわらず、ゴールドマン・サックスの内部関係者たちは、最近6カ月間、まったく自社株を買っていません。それでは、逆に自社株売りが目立っているのでしょうか?調べてみると、売られたのはたったの21万5000株ですから、内部者たちは買いにも売りにも積極的ではありません。ついでに、機関投資家のようすも見てみましたが、内部者と同様に売っても買ってもいません。

好調に上げを展開してきましたから、投資者にとって、ゴールドマン・サックスは楽しいパーティーのようなものです。とにかく皆、このパーティーが永遠に続くことを願っています。問題は、今回のような決算発表を繰り返すことは、極めて難しい、ということです。空売り残も、2.25%から3%に増えています。まだわずかですか、たしかに先行き不安が見え始めています。」

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オシュコッシュ・トラック

2007年はトラックだ、とジョン・マークマン氏(ストラテジック・アドバンテージ)は言う。「軍用トラック、セメント・トラック、ごみ回収トラック。とにかく、2007年の投資テーマはトラックです。」話を続けよう。

「ガソリン価格の安定、それに据え置きが続く金利はトラックメーカーに好材料です。過去2年間、売上が低迷していた業界ですが、そろそろ底打ちになって、収益が上向きそうです。

2007年、ブルマーケットは5年目を迎えます。ビリニ・アソシエーツの調べによれば、上げ相場の5年目は、素晴らしい成績を記録しています。具体的な数字で言えば、S&P500指数の平均伸び率は22.6%です。更に、S&P500指数は、大統領任期3年目が最も好調ですが、来年はブッシュ大統領の任期3年目です。

トレーダーズ・アルマナックの、大統領任期3年目の統計を見ると、S&P500指数は第1四半期+7.5%、第2四半期+5.3%、第3四半期+1.9%、そして第4四半期+2.8%の平均成長率があります。(1945年から2005年までのデータ)

それでは、実際にどのトラックメーカーを買うかですが、オシュコッシュ・トラック(OSK)が行けそうです。株価の方は1996年以来+3000%ですから、主要マーケット指数を30倍ほど上回っています。これだけ素晴らしい成長ぶりですから、投資者たちは、収益がアナリストの予想を、常に大きく超えることを期待しています。現に、第3四半期の決算の一株利益は、アナリストの予想を上回ったのですが、たった1セントだけ、ということで株価が10%もの下落になりました。

オシュコッシュ・トラックが製造しているのは、セメント・トラック、ダンプ・トラック、ごみ回収用トラック、軍隊輸送用防弾鋼板トラックです。主な取引先は、米軍と外国の軍関連機関で、それらが全売上の約40%を占めます。

日足チャートを見ると分かりますが、オシュコッシュ・トラックの株価は、5月から30%ほど下がっています。大きな原因は、JLGインダストリーズの買収です。あまりにも売られ過ぎですから、この辺で買うのは良いアイディアだと思います。

たしかに、JLGの買収が売りを呼びましたが、この買収は将来の収益を大きく伸ばすことでしょう。私の予想ですが、向こう数年間、オシュコッシュの年間平均収益成長率は16%から20%になると思います。2007年の目標株価は70ドルです。(現在48ドル70セント)

他のトラック・メーカーには、Paccar(PCAR)やNavistar(NAV)がありますが、一番魅力的なのは、何と言ってもオシュコッシュ・トラックです。」

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隠れた有望株の選び方

フォーメックス・インターナショナル +17592%、エネルギー・フューエルズ +4766%、フォース・プロテクション +1629%、ティックス・コープ +1374%、インテグラル・テクノロジーズ +1268%、ブルー・パール・マイニング +1245%。「これらは今年、抜群な伸びを見せた株です。ここで疑問になるのは、はたしてどのくらいの投資者が、これらの銘柄を12カ月前に注目していたかです」、と問うのはチャールズ・カーク氏(カーク・レポート)だ。

さっそく、筆頭のフォーメックス・インターナショナルを少し調べてみたが、とにかく肝心の情報がほとんど無い。ポリウレタンを扱う化学銘柄、ということは分かったが、追っているアナリストがいないから、とうぜん収益予想や、買い売り推奨なども無い。こんな状態だから、マスコミのレーダー網にキャッチされることも無いから、もちろんほとんどの投資者はこの銘柄を知らない。さて、カーク氏の話に戻ろう。

「ピーター・リンチ氏が、こんなことを言っています。「ファンドマネージャーが、うちの企業に訪れるのは3年ぶりです、などと経営陣が言うなら、私は興奮を隠すことができない。」一理ある言葉だと思います。今年の大成長株に共通していることは、ウォールストリートのアナリストたちから無視されている、ということです。」

多数のアナリストが追っている銘柄は、マスコミの目につきやすいから、既に人気化し割高になっているものだ。見捨てられている株に投資するのは心細いが、割安株を手に入れる確率が高くなるのも事実だ。シンギュラー・リサーチのアナリスト、ハリス・ホール氏によれば、現在アメリカには約4000に及ぶ銘柄がアナリストたちから無視されている。

そこで問題になるのは、この4000の中からどうやって優良な物を選ぶかだ。一つ一つチャートをチェックして、良さそうな物を拾う、という手もあるが、肝心な銘柄名が分からなければチャートを見ることはできない。そもそも、皆が知らない物を、どうやって見つけるのだろう?

回りくどい言い方をしてきたが、実はそんな銘柄に簡単に投資する方法がある。答えは上場投信だ。たとえば、小売セクターが強い場合なら、いちいち個別銘柄を調べないで、上場投信のRetail HOLDRs(RTH)を買うのが一番手っ取り早い。上場投信は株と全く同様に取引できるから、デイトレードやスイングトレードにも利用することができる。

大きな成長を期待できる、まだほとんどのアナリストが追っていない株を中心に投資する上場投信は、The Claymore/Sabrient Stealth (STH)、という名前だ。投資対象になる銘柄は、追っているアナリストの数は最高で二人まで、というから徹底している。STH、投資リストの一つに加えると面白いだろう。

2007年度の焦点

あと2週間で2006年度の相場が終わる。来年は、どんなマーケットが展開されるだろうか?証券会社からは、次々と来年度の見通しが発表されているが、ここで紹介したいのが、投資ストラテジストのバイロン・ウィーン氏だ。「12月の楽しみの一つは、ウィーン氏のレポートを読むことです。これは単なる相場予想ではなく、来年度の注意点が記されていますから一読の価値があります」、とダグ・キャス氏(シーブリーズ・パートナーズ)は言う。それでは、レポートを少し見てみよう。

1、誤解されやすい政府からの統計は、2007年度第1四半期、住宅市場安定を示すデータを発表するだろう。その結果、多くのアナリストが住宅市場の底打ちを宣言し、同時に住宅建築関連銘柄も推されるから、3月までには住宅セクターが52週間ぶりの高値に戻るだろう。

2、誤解されやすい、と記した理由の一つは、政府が発表する住宅販売件数には、住宅購入契約の取り消しが含まれていない。現に、買い手が購入をキャンセルすることが顕著に増えているから、売れ残り住宅数も、大幅に増えていくだろう。早ければ春中に、極めて悪い住宅販売件数が発表されるはずだ。

3、ローンの支払いができなくなり、差し押さえられる住宅数も着実に増えるだろう。2006年度に差し押さえられた件数は120万だが、2007年には300万に達することになりそうだ。

4、住宅ローンの金融派生商品を専門にするヘッジファンドが、大きな打撃を受けるだろう。その結果、議会では公聴会が開かれ、連銀は金利を引き下げることになるだろう。

5、商品価格の大幅下落が予測される。特にクルード・オイルは1バレルあたり50ドルを割ることになりそうだ。

6、2007年度米国企業収益は、第1四半期+8%、第2四半期マイナス5%、第3四半期+2%、そして第4四半期マイナス4%が予想される。

7、株式市場のボラティリティが大きく増しそうだ。ミューチュアルファンドや、ヘッジファンドの取引が更に活発になり、S&P500指数は、毎日2%の値幅が当たり前になるだろう。

8、2007年、株式市場は力強いスタートを切る。2月、S&P500指数は1450ドル(現在1407)を突破することだろう。しかし、上記したように、金融派生商品で失敗したヘッジファンドが大きな問題になり、第2四半期の終わり頃、株式市場は15%近い下げを展開しそうだ。後半のマーケットはレンジ内での動きになり、S&P500指数は1250ドル付近で2007年を終えるだろう。

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少し変わった先物利用法

1月効果を誤解している人たちが多い、とマーク・ハルバート氏(ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト)は言う。「中途半端な投資知識は危険です。1月効果は、株式市場全体に起きる現象ではありません。対象になるのは、小型株だけです。現に、大型株の1月は平均以下の成績ですから、S&P500指数やダウ指数に属する銘柄は避けた方が無難です。」小型株だけ?それでは、どの株を買ったらいいのだろうか。氏の話を続けよう。

「1月効果は、小型銘柄だけに限られる、ということを知っている人たちでも、この現象を中々うまく利用できないのが現状です。その理由の一つは、選択できる株が、上場されている小型株の中で最も小さな10%に限定されるからです。このような株だけに投資する、DFA  U.S. スモールキャップ(DFSTX)、というミューチュアルファンドがあります。DFAのウェブサイトで調べると、このファンドに属する銘柄の中間時価総額は2億6800万ドルです。

S&P500指数に属する銘柄で、一番時価総額が低いのは、PMCシエラの15億9000万ドルです。これで、いかに2億6800万ドルが小さなものか、理解していただけたと思います。

たとえ、適切な時価総額のある銘柄を見つけたとしても、一つ大きな問題があります。株価には、売値と買値がありますが、1月効果に利用できる株は、売値と買値が大きく離れているものが多いので、満足な利益を出しにくいのです。理論上の話ですが、解決策として、手数料が無料のミューチュアルファンドを使うことが考えられます。

そこで、手数料のかからないファンドを調べたのですが、小型株専門という名前がついていても、どのファンドも対象銘柄の時価総額がかなり大きいのです。それなら、DFA  U.S. スモールキャップ(DFSTX)を買えば良い、と言われるかもしれませんが、ファンドの性質上、短期投資に向いていないのです。

20年以上前になりますが、カンザス・シティ商品取引所が、ユニークな1月効果用の投資を発表しました。先物指数を利用するのですが、先ずバリューライン(小型株の動きを示す指数)の3月限を12月20日の大引け直前に買い、そして同時にS&P500の3月限を空売ります。ポジションを処分するのは1月9日の大引けです。過去23年間、このやり方で損が出たのは2回だけです。

先物、と聞いただけで直ぐ敬遠する投資者が多いですが、それは先物の知識不足が原因になっているようです。先物には、先物専用の口座が必要になります。とにかく資料を集めて、先物市場の勉強から始めてください。」

国債バブル

火曜のFOMC(連邦公開市場委員会)では、現行金利の5.25%が据え置かれる、という見方が圧倒的に多い。金利引下げを期待するマーケット関係者もいるが、ハリス・プライベート・バンクのジャック・アブリン氏は、「どう考えても、現状況では据え置きしかありません」、と強調する。

金利と密接な関係にあるのが国債だが、この国債暴落を予想するのは、トレンド・マクロリティクスで投資アドバイザーを務めるドナルド・ラスキン氏だ。さっそく説明を聞いてみよう。

「全く疑う余地はありません。1990年代のナスダックのように、今日の国債市場は完全なバブルです。イールド・カーブ(利回り曲線)を見てください。10年物国債利回りは、短期金利のフェデラル・ファンズより0.75ポイントも低いのです。正常な状況なら、長期金利が短期を上回るのが当然です。

長期金利が低い原因は、アメリカ経済が冷えこみ、金利は引き下げられることになる、というのが多くのエコノミストやアナリストの説明です。しかし、現在の状況を見る限り、米国経済が急ピッチに減速しいている、という兆しはありません。たしかに、一部の地域では住宅市場が大きく下げていますが、連銀関係者たちは、相変わらずインフレの危険性を指摘しています。こんな状態ですから、先ず金利引下げは無いでしょう。

もし今の国債市場が、ナスダックが5000ドルを記録した2000年と同じ状況なら、暴落は間近です。私の顧客は、ヘッジファンド・マネージャーや銀行などの機関投資家です。一般個人投資家と違い、膨大な資金を持つ彼らは、情報量も豊富です。彼らの意見を総合すると、現在の国債市場はナスダックの1999年に似ています。ですから、暴落までは少し時間があります。

繰り返します。現在の極めて低い長期金利は、金利引下げを見込んで、国債が買われているためです。しかし、皆が予測するような大きな米国経済冷えこみは無いでしょう。ですから、金利引下げはありません。それどころか、インフレ対策として連銀は金利を引き上げることになるでしょうから、結果的には国債が大きく売られることでしょう。」

ラスキン氏は、更にこう付け加えている。「金や商品の価格が上がり、ドル安が進みます。ドルに対する信頼感を回復させるために、連銀は金利引き上げを実行します。これが国債売りを呼び、長期金利上昇を引き起こします。これらのことが全て起きればドルが買われ、金価格は下降します。覚えておいてほしいのは、どんな状況でもトレードチャンスがある、ということです。」

銘柄選びのコツ

ニューオーリンズから北へ車で1時間、と聞いても、何の景色も頭に浮かんでこない。「田舎です。隣の家は遠くに小さく見えます」、と言うのはヘッジファンド・マネージャーのデービッド・ランドリー氏だ。「人里離れた場所ですが、インターネットのお陰で、ビジネスには全く支障がありません。」

ある本の前書きの中で、ランドリー氏はたしかこんなことを書いていた。「新しいトレードの本が出版されると、どうしても買ってしまうのです。もちろん、既に知っている手法かもしれませんが、とにかく買わないと気がすまないのです。正真正銘の、トレード方法論ジャンキーです。」思わず笑ってしまったが、これで氏をぐっと身近に感じることができた。

ランドリー氏は、数日間で終わるスイングトレード、そして数週間におよぶポジショントレードが専門だ。先日、ストック・ティッカーに氏のインタビューが掲載されていたので、その一部を見てみよう。

「私が株を始めたキッカケですか?80年代の終わり頃、初めてミューチュアルファンドに投資しました。手書きチャートを壁に貼り付けて、毎日の値動きを追いました。しかし、動きがゆっくりなので直ぐ飽きました。そこで1990年、古くなったボートを売って株を買いました。いきなり1ドル50セント下げ、本当にハラハラしましたが、運良く株価は持ち直してくれました。

スイングトレードをするようになったのは、株や先物のデイトレード経験が土台になっています。デイトレードは、その言葉が示すように、今日買ったものは今日中に処分しますから、オーバーナイトでポジションを持つことはありません。しかし、はっきりとしたトレンドがある場合は、とうぜん数日間持ち続けた方が利益が大きくなります。ですから、私は短期トレンドが明確な銘柄だけを狙って、そのトレンドが終わるまで持ち続けることにしたのです。

スイングトレードの最も重要なことですか?値動きです。値動きしかありません。たまに移動平均線を入れて、トレンドを確かめることはありますが、私は指標を使いません。出来高も見ません。とにかくチャートをパッと見ただけで、直ぐにトレンドが分かる銘柄を選ぶのがコツです。

トレーダーとして長生きする方法ですか?多くのトレーダーは、自分のスタイルを持っていません。少し説明しましょう。マーケット状況に合わせて、トレード方法を使い分けることを勧める人が多いですが、私はそれは間違いだと思います。今日のマーケットは方向性がはっきりしないから、リバーサルトレードをやってみよう。これは行けそうだから、ブレイクアウトを狙ってみよう。これらは単に、マーケットを追い回しているだけです。そうではなくて、自分のパターンが現れた時だけにトレードするのが肝心だと思います。」

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最近、ドル安という言葉を聞かないで一日を終えることはない。とにかく執拗なくらい報道されているから、ドル安を取り上げるブログが増えている。情報の正確さは別にして、ブログの面白いのは、ニュースでは得られない個人の感想を読めることだ。さっそく、人気ブロッガーたちの声を聞いてみよう。

「若い人たちは、ネズミのコスチュームが似合うかどうかを確かめるべきだ。ドル安が進んでいるから、たぶん最も有望な就職先はディズニーランドだ。海外から訪れる人が更に増えるだろうから、少なくとも「ニーハオ」「guten tag」くらいは言えるようにしておこう。」(ティム・アイアコノさん  The Mess That Greenspan Made )

「アナリストやエコノミストの話をまとめると、アメリカの貿易赤字が最大のドル安原因だ。とにかく下げが続いているから、ドル強気論者の姿が見えなくなってしまった。一つ言えるのは、あまりにも弱気論者が多すぎるから、ここで積極的なドル売りをするのは危険かもしれない。どちらにしても、投資ポートフォリオの一部を外国株に当てることは有益だ。」(アブノーマル・リターンズ)

「ドル暴落を予想する人たちがいるが、世界経済におけるドルの役割は、そう簡単に説明できるとは思わない。たとえば、原油売買にはドルが使われているが、去年の春、イランとノルウェーがユーロで売買することを試みた。これがキッカケになり、他の国々もドルだけでなく、ユーロも使うことを検討し始めた。

このドル中心主義離れが、ドル安をいっそうひどくする、というのだが本当だろうか?膨大なドルを抱える中東の産油国や中国は、わざわざ自らの首をしめてドル売りを実行するだろうか?たぶん積極的に売るのではなく、これからはドル買い量を減らす、という方向で行くと思われるから、ドル安はゆっくりと進むような気がする。」(ランダム・ロジャー)

「ドル安が、経済誌の表紙を飾るようになった。覚えている人もいると思うが、去年、Newsweekがドル安を特集した1週間後、ドルは底を打った。いつもマスコミが騒ぐのは、マーケットが天井か底に近い時だ。ヨーロッパの金利上昇、そして米国利下げの可能性という材料だけでは、もうこれ以上ドルを下げることは難しいだろう。ドル指数の長期サポートレベル80は、今回も崩れることはないと思う。」(グローバル・エコノミック・アナリシス)

ブログではなく、今日のウォールストリートジャーナルからも引用しておこう。「アメリカとは正反対に、ヨーロッパから発表されている経済指数は強い成長を示している。中央銀行による、更なる金利引き上げも予想されているから、ドル下げ基調が続く、と言うアナリストが多い。」

ウォール街には、5月に株を売って秋まで休むことを勧める、「Sell in May and Go Away」という格言がある。株式市場の歴史を振り返ってみると、5月から10月はパッとしないのだが、はたして今年はどうだったのだろうか?「たしかに5月の相場は低迷しました。と言っても、悪かったのは6週間だけです。特に9月は、すばらしいマーケットが展開されました」、と語るのはテクニカル・アナリストのマイケル・カーン氏だ。

「もう一つ、投資者たちを驚かせたことがあります。今年は、ブッシュ大統領の任期2年目です。大統領任期の二年目、特に第2と第3四半期に株が落ち込むのは有名な現象ですが、今年そんなことは全くありませんでした。正確に言えば、マーケットは夏から上げ続けています。」

単に今年だけが例外なのかは分からないが、悪いはずの時期に上げてしまったわけだから、皆が当てにしている新年ラリーはどうなるのだろうか?カーン氏の話に戻ろう。

「夏に底を打った大きな理由の一つは市場心理です。色々な指標で、投資心理を見ることができますが、とにかく今年の夏、投資心理は最悪の状態でした。往々にしてあることですが、皆が超悲観的な時に、マーケットは上昇を開始するものです。

コントラリアン(人と反対の行動を取る人、逆張り投資家)の立場から見れば、皆が意気消沈なら、既に売りは済んでいることが予測できます。単に持ち株の処分が終わっているだけでなく、空売り残も最高に達している可能性もあります。こんな状況で買いが入り始めれば、売り手も買い戻すしかありませんから、上げ速度は増す一方です。

先月、プットオプションとコールオプションの比率を示すプット/コールレシオは、極端に高いレベルに達しました。(マーケットが上がると思うならコールを買い、下がると思うならプットを買う。)この数字が意味することは、大多数の投資者が、マーケットの下げを予想していた、ということです。これも往々にしてあることですが、皆の意見と反対に動くのがマーケットです。現に、マーケットの上昇基調は全く崩れていません。

そして今、興味深いことが起きています。プット買いで失敗した投資者たちは、コール買いに徹しているのです。まだプット/コールレシオは極端に低いレベルまで下がっていませんが、明らかに投資心理は強気に一転しています。

ここで気になるのが、急落しているドルです。豊富なドルを保持する外国人投資家にとって、ドルの下落は投資の含み損になります。株に利益が出ていても、ドル安では利益幅が減ってしまいます。ですから、外人投資家による売りが、いつ起きてもおかしい状況ではありません。」

結局カーン氏も、昨日紹介したジューバック氏と同様な見解だ。アメリカはドルを救うために、金利を引き上げることはあっても、皆が期待する利下げを実行することは有りえない、というわけだ。

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ドルが直面する3つの問題

連銀は、もはや短期金利をコントロールすることができない、とジム・ジューバック氏(MSNマネー)は言う。「先週のような出来事が、何度も繰り返されるようなことになれば、米国金利動向の鍵を握るのは誰であるかが、全ての投資家たちに明確になるでしょう。」先週の出来事?氏の話を要約しよう。

11月28日、急降下の続いていたドルは、ユーロに対して20カ月ぶりの安値を記録した。その直後、連銀のバーナンキ議長が信じられない発言をした。米国のインフレ率はいぜんとして高すぎ、経済成長も堅調だから、まだ金利引き上げの可能性があることをほのめかした。

なぜ議長のコメントは意外だったのだろうか?もう一度28日を振り返ってみると、その朝、10月分の耐久財受注が発表された。予想は5%減だったが、結果は2000年7月以来最悪のマイナス8.3%だった。明らかに米国経済の冷えこみを表し、2007年早々に金利引下げがある、というマーケット関係者の見方を支持する数字だ。

もちろん議長の言葉は無視され、ドル売りは止まらなかった。具体的なデータに基いたコメントなら話は別だが、バーナンキ氏の意図は、あまりにも見え透いている。単にドルを上げたいだけだ、とマーケット関係者は受け取った。翌日、第3四半期のGDP(国内総生産)が1.6%増から2.2%増に上方修正された。このニュースで、バーナンキ氏の信用がやや回復し、ドルは0.3%高になった。

ドルには、そう簡単に解決できない問題が三つある。

1、膨大な貿易赤字: オイル価格は下落しているが、結果的に今年度の総赤字額は7500億ドルを超えることになるだろう。現に、大量なドルを保持する海外の中央銀行は、ドルのやり場に困り始めている。

2、米国経済の冷えこみ: 第3四半期のGDPは上方修正されたが、エコノミストは2007年度、米国経済成長率の減速を予想している。そうなると、ヨーロッパや日本にも悪影響を与える可能性がある。

3、海外の金利: 米国の金利は据え置かれているが、ヨーロッパや日本は上げ方向だ。これが意味することは、海外の国債に買いが集まり、アメリカの国債が売られることになる。

「バーナンキ議長は、国内経済ではなくドルを最優先するのではないでしょうか。あり余るドルを保有する中国は、もしドルが1セント下がると、70億ドルの評価損が出るのです。あなたがヨーロッパや日本の銀行なら、含み損の増え続けるドルを、今後も我慢して保持するでしょうか?

来年早々の利下げを予測するアナリストやエコノミストは多いですが、今の連銀には国内経済を優先させる余裕はありません。世界情勢を考慮すれば、たとえ米国経済を弱らせることになっても、連銀は金利引き上げを選ぶのではないでしょうか」、とジューバック氏は強調する。

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サメから学ぶ

新人トレーダーが最も犯しやすい過ちは何だろうか?「投資苑」の著者、アレキサンダー・エルダー氏の言葉を引用するまでもないが、トレードで間違いを犯すと、損という形で直ぐ結果が数字に表れる。何度も同じ失敗を繰り返さないことが大切なのだが、「多くの新人は、スタートの時点で既に間違っています」、とマイケル・シンシア氏(ザ・ロングターム・デイトレーダーの著者)は言う。さっそく説明を聞いてみよう。

「何か物事を始める時は、それなりの準備が必要です。しかし、多数の新人トレーダーは十分な知識や技術を習得する前に、トレードの世界に入ってしまいます。弱肉強食が、マーケットのルールです。ベテラントレーダーはサメ、新米はエサになる小魚です。サメといっしょに、同じ水の中で泳ぎ続けたいなら、先ずサメから学んでください。

アレキサンダー・エルダー氏も述べていることですが、学ぶことは時間がかかります。とにかく焦ってはダメです。大手証券会社のベテラン・トレーダーたちは、最初から優れていたわけではありません。徹底した先輩たちからの指導が無ければ、今日の彼らは存在しません。本だけではなく、実際に受講した人たちの話を参考にして、トレード・セミナーに参加することが大切です。

これは新人だけに言えることではありませんが、資金のことで必要以上に感情的になってはいけません。新人トレーダーに、「あなたにとって金とは何ですか?」、と質問してみました。10人中9人は、「金は生活の安全を保証するものだ」、という回答でした。

金=安全、という考え方では感情的になって当然です。トレードで損を出すことは、生活の安全を失うことを意味しますから、これでは正しいトレードができません。サメ(ベテラン・トレーダー)を観察して分かることは、彼らの顔色を見ただけでは、損をしているのか儲けているのかが、全く分かりません。冷静なトレードを身につけるためには、金額的に気にならない小さな株数から始めることを勧めます。

「動くものなら何でもトレードする」、と言うトレーダーたちがいます。他の言い方をすれば、これらのトレーダーには専門分野がありません。大手証券のプロトレーダーを考えてください。彼らは毎日同じ銘柄だけをトレードしています。ですから、昨日はマイクロソフトをやって、今日はS&P500の先物、などということはありえません。

銘柄を一つに絞れ、と言っているのではありません。数銘柄だけと付き合い続けることで、銘柄の持つクセや特徴を把握することができますから、最終的に良いトレード結果をあげることができます。」

成功から学ぶ

北米の自動車工場を調べた結果、ある工場の欠陥車生産率が極めて低いことが分かった。他の工場でも、同じ車がつくられているのだが、何故かこの工場だけが際立って良い。そこで自動車メーカーは、優秀な工場と他の工場にカメラを設置して、どこが違うのかを確かめることにした。さっそく優れた工場から発見したことを、他の工場に適用することで、自動車メーカーの欠陥率は大きく下がった。

50人の外科医が、ある病院に勤務している。記録を見てみると、10人の外科医は、手術後合併症などの面倒な問題がほとんど無い。病院側は、他の40人の外科医たちに、10人の外科医の詳しい話を聞いてもらうことで、合併症を起こす確率を減らすことに成功した。

「間違いや失敗から学ぶことばかりが強調されますが、上記二つは、成功から学ぶことの実例です」、と言うのは「The Psychology of Trading (投資の心理学)」の著者、ブレット・スティーンバーガー氏だ。「トレードで好結果を出しても、多くのトレーダーは、何故それがうまくいったのかが分かっていません。これでは、肝心な成功から学ぶことができません。」

単に投資心理の研究だけでなく、スティーンバーガー氏はトレーダーでもある。なぜ成功したのか、では分かりにくいかもしれないから、好結果を得たトレードを振り返って、どんな条件があったかを細かく記してみよう。スティーンバーガー氏自身のトレードを見てみると、次のような条件があった時、氏のトレードは成功している。

1、最初の買いは少な目にする。1000株を予定していたなら、半分の500株だけ買って、株が思惑どおりに動いたら買い足す。うまく行くトレードは、買って直ぐに思った方向へ動く。同様に、失敗するトレードも買って直ぐに逆方向へ動くから、最初から予定どおりの株数を買わないことにした。

2、マーケットの主役は、ファンドや銀行などの機関投資家だから、大手投資家たちの動きを監視すること。ニューヨーク証券取引所のティックを見ることで、大手投資家が動いているかが分かるから、彼らと歩調を合わせることで、トレードの成功率も上がる。

3、株が思ったように動き始めたら、トレーリングストップを使って利益を確保する。

4、他の銘柄に手を出す時は、変動率の高い銘柄を選ぶこと。できれば、現在持っている銘柄と、似たチャートパターンの物を取引することで、良いトレード結果を得ることができる。(株を例に氏は話しているが、氏のトレードはS&P500指数が専門だ。)

5、トレードは午前中だけにする。損の出ているトレードは、午後のマーケットで起きやすい。

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ブタに口紅

12月の相場が始まった。先月中間選挙があったが、統計によれば今月のマーケットは上がる可能性が高い。過去14回までさかのぼって、中間選挙があった年の12月を調べてみると、マーケットが弱かったのは4回だけだ。それなら積極的に買っていこう、と結論する前にマーク・ホイッスラー氏(ペアズトレーダー・ドット・コム)の意見を聞いてみよう。

「先日、一週間ほど仕事でラスベガスに行く機会がありました。休憩時間にニュースを見ると、ダウ指数の高値更新が報道されていました。いつもなら嬉しいニュースなのですが、今回は素直に喜ぶことができないのです。

昨夜、ホテルのカジノでギャンブルに夢中になっている人たちの様子を、何気なく見ていました。明らかにに疲れた、といった顔をしている人、勝利にハシャグ人、苛立ちを隠せない人、アルコールが入りすぎの人、と様々です。言うまでもありませんが、最初からギャンブラーには勝算はありません。それなのに、皆おしみなく賭け続けるのです。

現在のマーケットはカジノに似ています。ダウ指数を見る限り、たしかにマーケットは7月から好調ですが、米国経済は逆の動きです。バーナンキ議長も認めているように、既に住宅市場は下降基調ですから、GDP(国内総生産)に更なる悪影響を与えることは間違いありません。

テクニカル的には、ボラティリティ指数(マーケットと反対に動く逆指標)が、現在の極端に低いレベルを維持し続けるのは無理です。マーケットが上昇するには、ボラティリティ指数が一桁台に大きくブレイクダウンする必要があります。

長いことトレードをしてきましたが、一つ言えることがあります。マーケットの上げスピードが速ければ速いほど、下げスピードも速くなります。今ウォールストリートがしていることは、ブタに口紅をつけて投資者たちをマーケットに引き込むことです。

とにかく今は、積極的に買う時ではありません。もし持ち株の多い人なら、下げに対しての準備はできているでしょうか?下げに備える、と言っても空売りをする必要はありません。簡単なのは「プット・オプション」を買うことです。ダウ指数に連動する、ダイヤモンド(DIA)という銘柄がありますが、この12月限、あるいは1月限のプット・オプションを買うことを勧めます。

大バカ理論、という言葉を聞かれたことがあると思います。ここで積極的に買う人は、より愚かな投資者が現れない限り、儲けることはできません。口紅を塗ったブタに騙されて、バカな投資者になってはいけません。センセーショナルなニュースで、ブタを後押しするのがマスコミです。決して信じてはいけません。」

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トレード日誌のススメ

皆さんはトレード日誌をつけているだろうか?「日誌と言っても、単に何時何分にどの株をいくらで買って、何時何分にいくらで売った、というような業務的なものではありません。そんなものなら、12才の女の子にも書くことができます。日誌には、15の項目が含まれていなければいけません」、とトレーダーコーチのダグ・ハーシホーン氏は指摘する。

「チャートを正確に読むことや、適切な売買執行方法を学ぶことだけが、トレードの腕を上げる結果となるのではありません。残念ながら、ほとんどのトレーダーには、トレード日誌をつける習慣がありません。一日の利益や損額を記録する人はいますが、どうやら問題は日誌に何を書いたらよいかが分かっていないのです。時としてスランプに陥ることがありますが、スランプの克服に大きく役立つのがトレード日誌です。」それでは、さっそく15の項目を見てみよう。

1、今日のトレードルールを明記する。たとえば、最近なかなか思っているような成績が上がっていないなら、最初のプルバックで持ち株を半分処分する、というルールを記すことができる。

2、現在相場では、何が大きなテーマになっているかを確認する。

3、今日発表になる、主な経済指数をたしかめる。雇用統計などは、一日の大きなテーマになる傾向があるから要注意だ。

4、今日のモットーを作る。けっして難しく考える必要はない。「15分足も必ず見ること!」、といったようなものでかまわない。

5、午前中のゲームプランを作る。

6、午前中のゲームプランを振り返り、改善すべき点や、新たに気がついたことなどを記録する。

7、午後のゲームプランを立てる。これは、マーケットがヒマになる、お昼の時間帯を利用する。

8、午後のゲームプランの復習。要領は6番と同じ。

9、今日のトレードで、何が上手くできたかを考えてみよう。どうして、それは成功したのだろうか?このやり方は、更に改善することが可能だろうか?

10、失敗したトレードを見てみよう。何故うまくいかなかったのだろうか?自分のルールに従っていただろうか?

11、現在のマーケットはアップトレンドだろうか?それともダウントレンドだろうか?あるいは方向性の無い横ばいだろうか?今、もっとも注目されているセクターは何だろうか?逆に、避けられているセクターは何だろうか?

12、今日一日を振り返って、自分を採点してみよう。1を「最悪」、10を「最高」として今日の出来を評価しよう。

13、昨日と今日を比較して、今日のトレードには進歩があっただろうか?今日なにか発見したことや、新たに習ったことはあっただろうか?新しいことを、毎日学ぶことは難しいかもしれない。トレーダーとして成功するためには、常に謙虚になって、「学ぶ心」を忘れてはいけない。進歩、改善を怠るトレーダーは、必ず行き詰まりになる。

14、明日は、どんなトレード方法が使えそうだろうか?

15、明日の目標を立てよう。

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