US Market Recap
肥満のコスト
七面鳥ディナーとパンプキン・パイで満腹になった感謝祭が終わったばかりだが、そろそろ12月になる。12月と言えば、オフィスでのクリスマス・パーティーや忘年会。もちろん、家庭でもクリスマス・ディナーをしなければいけないから、とにかく飲み食いの機会が多くなる。
冬眠に入るクマなら、徹底的に食べて脂肪を増やさなければいけないが、そんな習慣のない私たちは、数キロ重くなった体で新年を迎えることになる。だから当然の結果として、新年の抱負は「ジョギングをして体重を減らそう!」、という運びになるわけだ。
アメリカでは、10人中6人が太りすぎている。そして、太っている人たちの三分の一は、極端な肥満カテゴリーに属する。今さら言うまでもないが、肥満は心臓発作、脳卒中、糖尿病、関節炎などを引き起こす。専門家の調べによれば、毎年10万人の人たちが、肥満が原因となった病気で命を失っている。
病気になったら病院の世話になるから、医療費が生じる。アメリカの肥満問題は、いったいどのくらいの社会負担になっているのだろうか。二つの例を、フォーブス誌から拾ってみよう。
1、現在、米国医療費の9%は、肥満関連の病気治療に使われている。ドルに換算すれば、年間およそ930億ドルだ。カリフォルニア州、ニューヨーク州、ペンシルバニア州、そしてテキサス州は、年間それぞれ40億ドル以上が、肥満関連病に使われている。
2、肥満者は、体重が正常な人より、仕事を休む日数が多い。体重に問題が無い人は年間で3日の病欠があり、肥満男性は5日、肥満女性は8日の欠勤がある。肥満者による病欠は、企業に年間40億ドルの出費になる。
「肥満は大きな社会問題ですが、企業側には効果的な対処方法がありません」、と言うのはエコノミストのエリック・フィンケルスタイン氏だ。「私たちアメリカ人が、一つの会社に勤務する期間は、平均で4.5年間です。肥満が、実際に病気という形で表れるには時間がかかります。終身雇用なら話は別ですが、何十年という期間にわたって一つの会社に勤めないかぎり、先ず企業側は肥満問題を気にする必要はありません。
肥満で、一番の被害を受けているのはメディケアです。(メディケアは高齢者向けの公的医療保険制度)退職後は、メディケアに頼ることになりますから、企業側には医療費を負担する必要はありません。若い社員が太りすぎでも、病気になるのは、かなり先の話ですから、企業側は余計な金を使って社員のために減量プログラムを実施するより、メディケアに任せてしまった方が楽なわけです。」
フィンケルスタイン氏は、更にこう付け加えている。「太りすぎている人たちからアンケートを取ったのですが、こんな答えが返ってきました。もし特別手当が貰えるなら、減量してもいいよ。」


