US Market Recap
すばらしいタイミング!?
「単なる偶然だろうか、と疑ってみたくなりますが、この際それは考えないことにします」、と切り出すのは、経済コラムニストのローリー・クリコースキー氏だ。ことの発端は、あるアナリストが発表した格下げなのだが、氏の話を続けよう。
「バンク・オブ・アメリカのアナリスト、マイケル・ヘクト氏は、オンライン証券会社、アメリトレード(AMTD)の格付けを「買い」から「ニュートラル」に引き下げ、目標株価を20ドルちょうどに設定したことを10月6日に発表しました。この格下げ発表は、バンク・オブ・アメリカが関係者を驚かすことになるニュースを出す5日前です。
10月11日、全米で第2位の巨大銀行バンク・オブ・アメリカは、一定の条件を満たした預金者に、株取引手数料ゼロを実施することを発表しました。全く予期されなかったニュースですから、オンライン証券会社の株が売られ、アメリトレードは12%の大幅下落です。」
このニュースに関して、人気番組「マッド・マネー」のジム・クレーマー氏は、こう語っている。「バンク・オブ・アメリカの決定で、アメリトレード、Eトレード、チャールズ・シュワブのようなオンライン証券会社が苦しい状況に直面します。こんなにインパクトの大きな発表を、だれも予期していなかったのは事実です。現に、ニュースの出る数日前、私はアメリトレードの最高経営責任者に会いましたが、バンク・オブ・アメリカのことなど、全く話題になりませんでした。
銀行ではなく、同業のオンライン証券会社からのニュースなら、それなりの対応策はあると思います。しかし、大手銀行からの挑戦ですから、はたしてどの程度のダメージになるかが正確に予測できません。正にオンライン証券会社にとって脅威です。どちらにしても、収益が下がることになるでしょう。」クリコースキー氏の話に戻ろう。
「アメリトレードの格下げを発表した時点で、ヘクト氏がバンク・オブ・アメリカの重大ニュースを知っていた、という証拠はありません。しかし、このあまりに良いタイミングには、どうしても首をかしげたくなります。
ヘクト氏が格下げをした理由は、ここ数カ月間でアメリトレードの株価が、あまりにも上げすぎたためです。今年の7月から、オンライン証券会社の株価は平均で16%の上昇だが、アメリトレードは37%の上昇だ、とヘクト氏はレポートに記しています。」
早速バンク・オブ・アメリカの広報担当者は、「ヘクト氏は重大発表について何も知らなかった」、と記者会見で述べ、業界の規則は厳重に守られていることを強調した。さて、クリコースキー氏によれば、オンライン証券株が売られた翌日、ヘクト氏は「オンライン証券株は売られ過ぎです」、という発表をしたそうだ。


