Thursday October 5, 2006

US Market Recap

上げ相場に強い消極的ファンドマネージャー

S&P500指数と、ファンドマネージャーの成績がよく比較される。S&P500が+8%、そしてファンドマネージャーが+15%なら、優れたファンドマネージャーだ。だから、たとえ年間で5%の損を出しても、S&Pがマイナス7%なら、優秀なファンドマネージャーという評価を得ることができる。

「問題なのは、多くのファンドマネージャーが、S&P500指数を上回る成績を、コンスタントに上げることができないのです」、と語るのは経済ジャーナリストのトーマス・コスティジェン氏だ。もちろん、これは新しいニュースではない。時おりマスコミは、半分冷やかしで、冴えないファンドマネージャーの成績を話題にしているから、投資者たちはS&P500を破ることの難しさは承知している。

しかし、プロに任せるのだから、やはり優れたリターンが欲しい。ファンドマネージャーも、良い成績を残さなければ投資者に逃げられてしまう。うまい解決方法はないだろうか?コスティジェン氏の話に戻ろう。

「簡単に言ってしまえば、S&P500指数を買えば、それに近い成績を出すことができます。これが指数ファンド(インデックス・ファンド)が生まれた原因です。投資者たちからも圧倒的な支持を受けて、ミューチュアルファンドには数多い種類がありますが、今日、インデックス・ファンドが最大の規模になりました。」

積極的なファンドマネージャー、そして消極的なマネージャーがいるが、ロバート・コソースキー氏(英国インペリアル大学)は、こんな発表をしている。「積極的なファンドマネージャーは、下げ相場において、指数を3%ほど上回る成績を上げています。しかし、上げ相場では逆に2%ほど下回っています。」(積極的なマネージャーの特徴には、頻繁な銘柄入れ替えや、限られた数の銘柄への集中投資などがある。)

ジェーソン・トマス氏(コーチス・フィッツ社)は、こう付け加える。「ヘッジファンド・マネージャーのように、投資スタイルが積極的になればなるほど成績が悪くなります。」この言葉で思い出すのが、先日報道されたヘッジファンドのアマランスだ。天然ガスに集中投資して、35%以上の損を出し、投資者は解約したくても解約できない状態だ。

ジェーソン・トマス氏自身も、約20億ドルの資金を運用している。正確に言えば、氏は預かった20億ドルを、ファンドマネージャーたちに運用させている。「積極的なファンドマネージャーを使うことは止めました。積極的だからといって、いつも良い銘柄を選べるわけではありません。それよりも、安定している消極的なファンドマネージャーを使った方が無難です。」

それでは、一般投資家はどうしたらいいのだろうか?「ベアマーケットなら積極的なファンドマネージャーのいるファンドを選び、ブルマーケットならインデックス・ファンドに投資することです」、とコソースキー氏は勧める。

Stocks You Need To Know About

サポートライン

一株4ドルの特別配当金ニュースで、高級デパート、サックス(SKS)は窓を開けて好調なスタートを切った。5分足チャートを見てみよう。

1004sks.gif

18ドルにサポートライン(赤)が形成されたが、高値が右下がりになり、あまり買い手が積極的でない。ブレイクダウンの前に起きやすい現象だから、注意が必要だ。

Wall Street English

以前、ニューヨーク証券取引所で

大口取引を担当していたケビン・ハガティー氏が、決算シーズンを控えてこんなことを言っている。

Earnings estimates have already been lowered several times, but the media will still be giving you the "better than expected" line to suck the most people into the casino while the lights are dimming

既に収益予想は何度も引き下げられているが、マスコミは「予想以上に良かった」、と騒いで照明が暗くなり始めたカジノへ、大衆を引き込むことだろう。

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