Friday August 4, 2006

US Market Recap

テクニカルアナリストが注目する20月移動平均線

欧州中央銀行、そしてイングランド銀行による金利引き上げ。金曜は米国雇用統計の発表、更に来週はFOMC(連邦公開市場委員会)もあるから投資者は心配だ。こんな不安定な状況で、投資アドバイザーは、どんなことを推薦しているのだろうか。ビジネスウィーク誌に掲載された、クリス・ジョンソン氏(シェイファーズ・インベストメント・リサーチ)の意見を少し見てみよう。

7月末、インフレに関するバーナンキ連銀議長のコメント、それに第2四半期のGDPはマーケット上昇材料になった。これで8月に利上げは無い、と判断した人が増えたためだが、それでは8月に利上げが実施されたらどうなるだろうか?失望売りを呼ぶのではないだろうか?まだマーケットは20月移動平均線に支えられているが、失望売りが強烈なら、ブレイクダウンの可能性がある。

全体的に、投資者たちは悲観的だ。ミューチュアルファンドへの資金流入量、株オプションのプット・コール・レシオ、ボラティリティ指数などからも分かるように、大衆は株式市場に対して悲観的な見方をしている。ファンダメンタル的に買える材料も乏しいから、連銀による金利引き上げ政策終了が大きな鍵になると思う。

決算シーズンもほぼ終わり、65%に近い企業は予想以上の利益を発表した。今年後半の見通しも思ったほど悪くないが、投資者の目から見ればガッカリな内容だ。それだけに、来週のFOMCから、はっきりとした連銀の金利政策が読めれば、投資者はマーケットに戻ってくるだろう。もちろん、たとえFOMCが好材料になっても、多くのレジスタンスレベルが控えているから、一本調子の上げはありえない。

現在のマーケットが不安定だからといって、買えるものが全く無いわけではない。人気の無いセクターだから、買いを推薦するアナリストが少ないが、電話会社や電力会社には魅力的な銘柄がある。例えば、電話ならAT&T(T)とベル・サウス(BLS)の二社、そして電力ならアメリカン・エレクトリック・パワー(AEP)だ。

テクノロジー銘柄は買えるだろうか?かなり下げた銘柄も目につくが、大型テクノロジー銘柄は、まだ買い時期が来ていない。たとえば、95%のアナリストが買い推奨をマイクロソフトに出していたが、その数値は70%台に下がっている。しかし、まだ高すぎる。半数以上のアナリストが、ホールド(中立的立場)以下の格付けをしないかぎり、完全に売り物は出尽くしたとは言えない。

マイクロソフト以外でも、インテル、シスコ、デル、ヤフー、グーグルなどは空売り残が少なすぎる。これらの銘柄に、現在ある空売りを全て買い戻すには二日とかからない。買い候補になる銘柄には、空売り買い戻しに、通常6日から7日の日数が必要だ。

注:「マーケットは20月移動平均線に支えられているが」、とジョンソン氏が指摘するマーケットはS&P500指数のこと。しかし、既にナスダック指数は20月移動平均線を割っているため、氏はS&P指数のブレイクダウンを心配している。

Stocks You Need To Know About

89EMA

格下げでギャップダウンとなったハンセン・ナチュラル(HANS)は、ある移動平均線に支えられた。20日、40日、50日、そして200日移動平均線は有名だが、89日エクスポネンシャル(89EMA)移動平均線も、トレーダーが注目する一つだ。

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Wall Street English

以外だった利上げ

先ずヘッドライン。

Bank of England hikes key rate to 4.75%

英国の中央銀行、バンク・オブ・イングランドは、短期金利を4.75%に引き上げた。

欧州中央銀行の利上げは予想どおりだったが、バンク・オブ・イングランドの金利引き上げは予想されていなかった。この利上げは、こう説明されている。

The Bank of England explained that the pace of economic activity as quickened in the past few months, and that higher energy prices have led to greater inflationary pressures.

引き上げの理由は二つある。

1、最近の経済成長速度が増してきた。
2、エネルギーコスト上昇でインフレの心配がある。



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