なぜ移動平均線を使うのか?

Tuesday August 29, 2006

株の勉強を始めてしばらくすると、だれでもぶつかるのが移動平均線だ。アメリカでは20日、50日、そして200日移動平均線が広く使われているが、投資心理研究で知られるブレット・スティーンバーガー氏は、こんな質問をする。「二本の移動平均線がクロスした、株価が移動平均線を突破した、といったことをよく耳にしますが、移動平均線を利用する価値は本当にあるのでしょうか?」

移動平均線ほど人気のある指標は他に無いのではないだろうか?現に、移動平均線が入っていないチャートブックを見つけるのは難しい。あまりに一般的になりすぎているから、今さら改まって移動平均線を使う意味があるか、と聞かれても返事に困ってしまう人もいることだろう。スティーンバーガー氏の話を続けよう。

「実際にS&P500指数を1950年までさかのぼって調べてみました。使った移動平均線は50日移動平均線です。50日を選んだ理由は、それが中期トレンドを見るために、多くの投資家たちが使っているからです。

1950年から今日までの取引日数は14290日あり、S&P500指数が50日移動平均線より上で引けたのは9044回、そしてそれより下で引けた回数は5246回でした。S&P500指数が50日移動平均線より上にある場合、次の50日間で平均1.65%の伸びがあり、逆に指数が移動平均線より下の場合は、次の50日間で平均1.85%の伸びがありました。ですから、指数が50日移動平均線の上か下では大した差がありません。

しかし、顕著だったことがあります。1995年から1999年のようなブルマーケットの場合、指数が50日移動平均線以上なら買いに徹することが正しく、2000年から2002年のようなベアマーケットでは、たとえ指数が移動平均線より上になるようなことがあっても、買い手に分はありませんでした。

指数が移動平均線より上か下かだけに気を配るのではなく、何パーセントほど離れているのかに注目すると、面白いことが見つかります。たとえば、指数が5%以上50日移動平均線より上にあると、次の50日間で指数は平均で2.46%の上昇です。反対に指数が50日移動平均線より10%以上離れて下にあると、マーケットは一時的な底である可能性が高く、次の50日間で約5%の伸びです。

指数が50日移動平均線から2%以内にある場合は、はっきりと強気とも弱気とも結論することはできません。重要なことはこれです。指数が50日移動平均線より上か下かは問題でありません。二本の移動平均線のクロスにも大した意味はありません。大切なのは、どの程度指数が移動平均線から乖離しているかです。極端に離れている時が売買チャンスです。」

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

エントリーへの言及リンクを含まないトラックバックの反映は遅くなることがあります。

コメントを投稿

本マガジンは客観的情報の提供を目的としており、投資等の勧誘または推奨を目的としたものではありません。各種情報の内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。これらの情報によって生じたいかなる損害についても、当社は一切責任を負いかねます。