ドル安は止まらない

Thursday May 4, 2006

「夏休みはヨーロッパ旅行ですか?それなら、いまのうちにドルをユーロに替えた方がいいですね」、というのはファイナンシャル・コラムニストのマイケル・ブラッシュ氏だ。ユーロだけに限らず、円に対してもドルは下げている。4月14日、118.72円で取引されていたドルだが、5月1日、112.32円が記録され円高が顕著になった。

膨大な貿易赤字で分かるように、アメリカは、おびただしい量の品物を海外から輸入している。性能の良い日本車、安い中国製品、そして中東からのオイル、とにかく外国製品の需要は増えるいっぽうだから、世界の国々にドルが溢れてしまった。その他にもドル安になる原因はあるのだが、ブラッシュ氏の話を聞いてみよう。

「特に日本が好例ですが、外国の経済成長が目立つようになりました。ですから、アメリカよりも海外株式市場の方が魅力的です。また、連邦準備理事会は一時的に金利引き上げを止める可能性があるようですから、これもドル安に結びつきます。更に、米国政府はアンバランスな貿易状況を改善するために、中国政府に対して人民元を適切なレベルに調整することを要求し続けることでしょう。」

エコノミストのジム・ポールソン氏によれば、向こう5年間で、ドルは20%近い下げがあってもおかしくないと言う。マーク・ハード・カレンシー・ファンドのアクセル・メルク氏は、「毎年5%から10%の下げを予想しています」、と悲観的な見方だ。ブラッシュ氏の話に戻ろう。

「既に述べたように、アメリカは海外から物を買い過ぎです。去年末での貿易赤字額は8000億ドルですが、他の国々が毎日米国製品を22億ドル相当買わないと、ドル安を防ぐことができません。問題は中国です。人工的に人民元を低く抑えて、安い品物をアメリカに輸出し続けています。米国政府もこんな中国の態度にウンザリですから、中国政府に更なる圧力をかけることでしょう。

投資家は、成長が最も望める国に資金を移すものです。ここから数年間、外国の経済成長率がアメリカを上回ることでしょう。今年、新興経済国の平均成長率は7%、そしてアメリカは5%が予想されています。アメリカ経済には疲れが見えますが、日本の成長はまだ始まったばかりです。」

もう一つ、ブラッシュ氏はアメリカが外国ビジネスに対して、非友好的になっていることを指摘している。「去年ですが、アメリカは中国国営オイル会社による、Unocal買収を認めませんでした。そして、議会や国民は米国港湾をドバイに本拠地を持つ会社に管理させることに、大きな非難の声を上げています。」自由なビジネスを提唱するアメリカだが、どうやら閉鎖的な国になり始めたようだ。

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