Friday January 27, 2006

US Market Recap

何を基準に買うのか、ロバート・キヨサキ氏の提言

「桐一葉、落ちて天下の秋を知る。読者よ、二年有半に亘っての進撃一路から退却の時期は近づいた。」これは昭和28年2月11日、独眼流の異名を持つ石井久氏(江戸橋証券創立者)が株式新聞に載せた警報だ。強気な独眼流が、ごく少数意見の弱気に転じた。さすがに当たり屋の相場観だけに、完全に無視することができなかった。まるで氏の記事がキッカケになったようにマーケットは下げ始め、3月5日、東京市場はスターリン暴落に襲われた。

話をアメリカに移そう。「金持ち父さん貧乏父さん」の著者、そして不動産投資第一人者として知られるロバート・キヨサキ氏は、2005年夏、米国不動産冷えこみを警告した。株のような急落は無いが、水曜に発表された中古住宅販売数はアナリストの予想に満たなかっただけでなく、3カ月連続の下落となった。キヨサキ氏が住宅市場を低迷させた犯人とは思わないが、不動産セールスマンから「商売の邪魔をするつもりですか!」、と非難のメールが殺到したそうだ。

火曜日、キヨサキ氏はこんなことを語っている。「値段が上がっているから買おう、と不動産投資家は言います。ようするに、値段の動きに焦点をおいているわけです。ここで考えてほしいことがあります。デパートに行ったとしましょう。商品はどれもこれも値上がりしています。よし、高くなっているから買おう。あなたはそんな判断をするでしょうか?

他の例を挙げましょう。あるスーパーマーケットが、全商品25%割引セールを実施しました。店内は買い物客で大混雑です。しかし、不動産や株式市場が25%割引セール(一般的には暴落と呼ばれる)をすると、買い手はほとんど現れません。

私の推測ですが、投資者の90%は値動きだけに注意を払い、肝心な価値を考慮していません。これは「大馬鹿理論(より馬鹿論)」です。説明しましょう。20万ドルで物件を買ったとしましょう。もちろん、儲けることが目的ですから25万ドルで売ることを計画します。不動産市場は割高ですが、投資者の全てが賢いわけではありません。ですからあなたは、物件を25万ドルで買ってくれる愚か者を待つわけです。

不動産市場が暴落するなら、それは絶好の買いチャンスです。売り手はとにかく物件を処分することだけに集中しますから、物件の価値などまるで頭にありません。完全に捨て鉢状態ですから、買い手はかなり有利な条件で、きっと正当評価額以下で物件を手に入れることができるはずです。暴落は大衆を強烈な悲観論者に変えますが、こんな時に買う勇気を持つことが重要です。

私は今、1990年代の終わりに、金を1オンス275ドルで買ったことを思い出しています。アナリストは、金をゴミ扱いしていました。しかし現在、金は500ドル以上で取引されています。興味深いことに今日、同じアナリストたちは口を揃えて金投資を推奨しています。」

値動きではなく、価値を重視しろ、というキヨサキ氏だが、氏は更にこう付け加える。「ウォーレン・バフェット氏は、潮が引いた時、だれが裸で泳いでいたかが分かる、と言います。それが現在のアメリカ不動産状況です。既に下降が始まっていますが、まだ多数の投資者が裸で泳ぎ回っているようです。」

注:江戸橋証券は現在、立花証券として営業している。

Stocks You Need To Know About

S&P500指数

1月6日にブレイクアウトするまで、S&P500指数は横ばいだった。結局またこのトレーディングレンジの中に戻ったわけだが、注目はこのレンジの底辺だ。万が一に備えて、この底辺の直ぐ下には、大量な損切り注文が入っていることだろう。それだけに、割ってほしくない一線だ。

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Wall Street English

一分間に置き換えると

2005年第4四半期、ゼネラルモータースは48億ドルの損を出した。いかにこの額が膨大であるかが、こう説明されていた。

No. 1 automaker's shortfall equals $36,000 a minute as auto operations falter.

1分あたりの損額は3万6000ドル。円に直せば418万円だ。

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