Friday December 16, 2005

US Market Recap

先に動くのは消費者、それとも小売店

まだ九日ある。それとも、もう九日しかない、と言うべきだろうか。クリスマスセールが始まった11月25日、別名ブラック・フライデイ、消費者はつかみ合いの喧嘩を起こすほど買い物に荒れ狂った。しかし、売上の良かったのはこの日だけだ。ひょっとしたら、今年のクリスマスセールは思ったほどの伸びが期待できないかもしれない。

まるで消費者は冬眠してしまったようだ、という報道を裏付けるように、アメリカズ・リサーチ・グループの調べによれば、クリスマスショッピングを終えたのは、たった25%の人たちだけだ。特に今年変わっているのが、通常クリスマスの2週間前から売上のジャンプが見られるのだが、今のところ全くその気配が無い。

メリルリンチのアナリスト、マーク・フリードマン氏を引用しよう。「クリスマス直前の2週間は、小売店にとって最も重要な期間です。40%以上の売上は、この2週間に集中するのが普通です。」また、NDPグループのマーシャル・コーエン氏はこう語る。「全く消費者にエンジンがかかりません。こんなに買う気の無い状態が見られたのは、2001年に一度あっただけです。ショッピングセンターに行っても、簡単に駐車する場所が見つかるのですから、明らかに何か変です。」

なぜショッピング熱が上がらないのだろうか。あるアナリストは、我慢比べの比喩を使って説明する。「最初に、まばたきするのはどちらでしょうか。消費者でしょうか、それとも小売店でしょうか。消費者は我慢比べが上手くなりました。今、店に行くべきか、それとも値下げを待つべきか。正に我慢比べの最中です。」

上記したフリードマン氏も、我慢比べ説に賛成する。「クリスマスイブは土曜です。消費者はこの土曜日に、大バーゲンセールが来ることを期待しているようです。」小売店経営者は、さぞイライラしているだろう、と思ったのだが、NDPグループのコーエン氏は、経営者たちに焦りの色はまだ見えないという。

泣いても笑っても残りは九日、最大手のウォルマートは積極的な値下げ作戦を既に発表している。どちらにしても、また今週末がダメなら、小売店はパニックボタンを押すことだろう。少し違った意見だが、物がそう盛大に売れなくても問題はない、と述べるアナリストもいる。「消費者に買う気がないのは、買いたい物がみつからないからです。残りの九日間は、商品券の売上が大きく伸び、これが小売店を救うことでしょう。」たしかにそうだ。へたな物を贈るより、商品券の方が無難かもしれない。

Stocks You Need To Know About

出来高に注意

たばこ裁判は、アルトリア側に軍配が上がった。下の30分足チャートで分かるように、買い手が一斉に殺到し、株価は棒上げになった。

大陽線だから買いだ、と解釈した投資者もいるが、その後パッとしない。注目は極端に増えた出来高だ。この一本の特大陽線で、買い手は全てのエネルギーを使い果たしたようだ。正にパニック買いだ。

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Wall Street English

記録的な下げ

先ずヘッドライン。

CPI posts biggest drop since 1949

CPIは消費者物価指数だが、発表された数値は1949年来、最高の下げになった。

この大幅下落の原因は、

Energy prices fell a record 8% in November, reversing a spectacular 12% gain in September.

11月、エネルギーコストが8%の記録的な下げとなり、大きく12%上昇だった9月から一転反落となった。

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