Monday December 5, 2005

US Market Recap

金を買う必要は本当にあるのか

ついに500ドルを超えた。こんなレベルで金が取引されるのは1987年以来だ。好調なのは金だけでない。銀、パラジューム、プラチナ、それぞれ高値の更新だ。「世界経済はフルスピードで走っています。まるで金属を食い散らすモンスターのようです」、とマネー&マーケット誌のショーン・ブロドリック氏は言う。

金属市場の中で、最も身近に感じられるのが金だ。なぜ金が買われているのだろうか。ほとんどの人が指摘するのがインフレだ。9月の数字を上回ることはなかったが、消費者物価指数10月分は+4.3%だった。これほど高い数値を記録するのは14年ぶりになる。ご存知のように、物価上昇は紙幣の価値を下げる。歴史を振り返ると、金には究極的な貨幣としての価値があり、インフレ対策投資として常に選ばれてきた。

2004年1%だった米国短期金利は、連銀の執拗な引き上げで4%になった。これも、金人気を作り上げている一因だ。4%になった金利だが、これはまだインフレ率より低い。インベストメント・オフィサーのフランク・ホルムズ氏に説明してもらおう。「各国の中央銀行は、短期金利を実際のインフレ率以下に設定します。そうすることで、経済成長に勢いをつけることができるからです。しかし、結局これがインフレ原因になり、金が買われることになるのです。」

中国、インド、そして他アジア諸国からの金需要が増大している。金が伝統的な投資となっているこれらの国々は、最近目覚しい経済発展を遂げ、資金が豊富になった。しかし、需要が増えても肝心な供給が追いつかない。フランク・ホルムズ氏によれば、金精錬所を建てるには30億ドルの費用がかかり、約10年の建築期間が必要だという。また、環境保護を叫ぶ団体も多いから、そう簡単に精錬所用の土地を確保することもできないようだ。

止まる気配を見せない金需要、極めて限られている供給量。まだまだ金は買える、と思われるかもしれないが、ここでファイナンシャル・アドバイザー、ウィリアム・バーンスタイン氏の言葉を聞いてほしい。「金に投資する理由はインフレ対策ですが、本当にインフレ率以上の成績を上げているのでしょうか。答えは「ノー」です。インフレ率を考慮すると、金の実質利益はゼロです。」

インフレ対策にならないのなら、無理して金を買うことはない、と早合点する前に、もう一度バーンスタイン氏の話に耳を傾けよう。「株式投資の一部に、金鉱銘柄を入れておくことで好結果を得られます。金鉱銘柄は全体のポートフォリオの10%で構いません。残りの90%は成長株です。100%成長株だけのポートフォリオと比較すると、金鉱株を含めたポートフォリオの方が優れたリターンを得られます。もちろん、問題が一つります。たとえ成長株と金鉱株をミックスしても、売買タイミングを間違えていたら何の意味もありません。」

Stocks You Need To Know About

先週の米国株式市場

買われたセクター

1、日本株
2、メキシコ株
3、半導体

売られたセクター

1、製薬会社
2、金鉱株
3、銀行
4、バイオテクノロジー

主な国債利回り

2年物 4.42%
5年物 4.44%
10年物 4.51%

Wall Street English

あるキリスト教団体の判断

DENVER(AP) The conservative Christian group Focus on the Family says it is withdrawing its funds from Wells Fargo because of the bank's support of gay organizations.

Focus on the Familyと呼ばれる保守的なクリスチャングループは、ウェルズ・ファーゴー銀行との取引を停止した。理由は、銀行がゲイ団体を支援しているためだ。

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